2016 Fiscal Year Research-status Report
中国におけるメディア融合戦略と世論形成空間の変容に関する調査研究
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15K01859
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西 茹 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 准教授 (50533569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高井 潔司 桜美林大学, 言語学系, 教授 (20312407)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | メディア融合 / 中国メディア / 言論空間 / ネット規制 / ネット世論 / 世論誘導 / 都市報 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、前年同様、中国のメディア融合戦略に関する政策や資料を引き続き収集し分析を行うとともに、2016年9月と2017年2月に北京、瀋陽、広州、深センを訪問し、現地調査を行った。 中国のメディア融合戦略をめぐる政策の展開はこれまで共産党の統治装置という視点から検討を行ったが、政策の新たな動きをフォローしながら、経済情勢と政治情勢の変動、社会情報化の進展といった多角的視点から再検討し始めた。政策分析の作業は次年度においても継続し、それによって得られる知見を論文にまとめる予定である。 現地調査においては、研究者にお会いして聞き取りし、意見交換を行った一方、メディア学科の学部生や大学院生とメディア利用に関する座談会を行った。また、中国青年報、南方週末紙の中堅記者にもお会いし、現場のメディア融合の動きや記者たちの考えについてインタビューした。 これまでの調査結果についてより深く検討し、活発な議論を行うため、2016年9月3日に、北海道大学において、シンポジウム「中国におけるメディア融合と世論」を開催し、北京外国語大学国際新聞与伝播学部展江教授と上海報業集団伝媒研究センター主任「新聞記者」劉鵬編集長を招請し、それぞれ「中国の『新聞輿論監督』の現状と行方」「メディア融合の最前線――オンラインニュースサービス『澎湃ニュース』について」を題に講演を行い、さらに、オーストラリア国立大学研究員魏舒歌氏、北大藤野彰氏、渡辺浩平氏、本研究分担者である桜美林大学高井潔司氏が参加した総合討論を行った。2017年1月、研究分担者の高井潔司氏を札幌に招き、研究成果の発表会及び2017年度の研究計画について打ち合わせた。 上記の調査研究によって得た知見を、引き続き公益財団法人新聞通信調査会発行の月刊『メディア展望』において「中国メディア事情」という連載の形式で公開している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本調査研究はほぼ計画通りに進展している。資料収集やメディア融合の動きに関して、代表者と分担者の間は常時メールやウィーチャットを使った情報交換を行い、情報、研究成果の共有化し、さらに、中国研究者、現場のメディア従事者とウィーチャットで意見交換や情報交換を頻繁に行うことができて、これまで築いた研究者とのネットワークは活発に利用できた。
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Strategy for Future Research Activity |
①インターネットやメディアに関する政策について、引き続き資料を収集し分析を行う。 ②新たな動きについて現地調査を実施し、中国人研究者と意見交流を行う。 ③国内外に開催される国際シンポジウムに参加し、研究発表を通じて意見交換を行う。 ④研究報告書を作成する。
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Causes of Carryover |
平成28年度において、購入を予定していた中国書籍の入荷が遅れたため、26768円の未使用額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
その未使用額は次年度において資料購入費として使用する予定である。
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