2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K01862
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
ティムール ダダバエフ 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (10376626)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 対中央アジア政策 / 日中比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の達成目標は、「中央アジア地域に対する中国と日本の外交政策の比較研究」を行うことである。本研究の進展により、日本および国際機関に対し中央アジア諸国に対する援助政策の立案、実施の際の指標を設定することが可能となる。また、中央アジア諸国が共通して有する課題に対する域内協力や相互理解に関してもこれらを促進するための提案も準備することである。以上の目標のために以下のことが行われた。本研究の一環として以下のことが行われた。 【1】英国ケンブリッジ大学(5月)、米国(コロンビア大学やホノルル大学)(8月)、カザフスタン国立大学(2月)と北大スラブユーラシア研究センター(3月)において研究会とワークショップを開催し、理論的な枠組みについて発表を行うと同時に意見交換を行った。その一環として、現実主義、自由主義、建設主義などと対比して日本・中国の対中央アジア政策を分析した。【2】資料調査を行い、コロンビア大学、NY私立大学、ホノルル大学、北海道大学とカザフ国立大学、そしてウズベキスタン国立図書館を活用し、情報収集を行った。 【3】以上の成果を3本の論文と2冊の共編著に反映し、公開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、現地調査と情報収集を行い、その一部の成果を既に公表している。本研究計画に従い、これ以降の研究においてこれまでの成果を踏まえ、更に計画に沿って研究を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
第一回現地調査結果の分析を経て、第二回の調査準備を行う。カザフスタン国立大学やウズベキスタンの世界経済外交大学など、現地の研究機関と共同で準備を実施し、第二回現地調査を行う。前回の現地調査協力者などの関係者とデータを再分析するとともに、現地の研究者との意見交換を行い、研究の強化をはかる。具体的には、4月-6月を調査準備に、7月-9月を調査実施にあてる。第二回現地調査の目的は、中国及び日本の中央アジア地域における役割の政治的・経済的・社会的な背景が地域内の安定化に寄与した具体例を(JICA事務所、日本センター、中央アジア各国にネットワークを拡大させている中国の孔子学院、現地のコミュニティ・民族の長老、リーダーやNGO、企業家らから)収集し、これらが中央アジア諸国の安定性という観点から利点と弱点を明らかにすることである。調査地域は、25年度からの継続性に鑑み、ウズベキスタンのフェルガナ盆地、サマルカンド州、ブハラ州、カラカルパク共和国およびアフガニスタンに接するテルメズ市、そしてカザフスタンのアルマティとアスタナを予定しているが、必要に応じて数ヶ所が追加される可能性もある。
データの分析:共同研究者間で調査結果を検討するとともに(国内旅費)、アルマティのカザフスタン国立大学とウズベキスタンの世界経済外交大学で研究会報告会を開催し、結果を公表する(補助費、会議費)。
研究成果:本研究の第一段階である理論的枠組みの検討で得た研究成果と現地調査の結果とを統合し、研究をまとめる。その上で、研究成果を日本・中央アジア双方で公表する(会議費、印刷費、旅費)。その一環として、この分野の優れた研究成果の公表する場として知られるPacific Review誌, Europe-Asia Studies誌, Journal of Contemporary China誌などでの刊行を目指す。
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