2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K01864
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮澤 尚里 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員 (80625476)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 援助政策 / 紛争後国家 / 平和構築 |
Outline of Annual Research Achievements |
紛争後の国家において、環境資源が効果的に管理されるための援助政策を提言することを目的として研究を進めてきた。多くの紛争の根源的原因ともなってきた環境資源は、紛争後の復興の成否に影響を与え、平和構築を目指すために重要であるからである。紛争後の国家における環境分野に関する援助事例を検証することを通じて、実証に裏付けられた援助政策モデルを明確に掘り起こしてゆく。 紛争後の地域においては、国際社会からの支援が急激に増える場合が多く、その国際支援の施策が問題視されることも少なくない。紛争後地域においては、人道緊急支援と中長期の持続的開発に向けた支援を行なう機関が異なることが多く、その間の継ぎ目のない支援の必要性が唱えられながらも、その連携と調整には多くの課題がある。また資金的にも、人道緊急支援段階から中長期の開発支援に移行する過程で、国際社会の関心が低下し支援が減少するということも、大きな課題の一つとされてきた。国際社会の諸機関やドナー国が、紛争後の環境政策支援に関して近年とってきた政策を整理し、その有効性・課題を分析した。昨年度に実施した時系列分析の枠組みを基礎に、緊急復興期から中長期の開発に向けた継ぎ目のない環境援助政策について分析した。フィールド調査を行い、環境分野で援助が行われているプロジェクトサイトを訪問することができた。そして環境援助の具体的な事例について、ヒアリング調査を実施することができた。特に、政府関係者、援助団体、プロジェクトの裨益者に対するヒアリング調査により、貴重な知見を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
フィールド調査を実施することができ、貴重な知見を得ることができた。文献調査とフィールド調査のバランスをとり、分析・検証を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
紛争後地域において、どのような環境援助政策が有効であるかという具体的な方法論を提示し、どのように平和構築プロセスに統合してゆくべきか、という対策を提示する。
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Causes of Carryover |
フィールド調査の期間が短縮されたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究期間を1年延長していただき(承認済み)、研究成果をまとめる計画である。
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Research Products
(2 results)