2017 Fiscal Year Annual Research Report
Study on village autonomy in contemporary China from perspective of political sociology : cases of rural tourism villages
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15K01867
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
南 裕子 一橋大学, 大学院経済学研究科, 准教授 (40377057)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
閻 美芳 宇都宮大学, 学内共同利用施設等, 講師 (40754213)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 中国農村 / グリーンツーリズム / 農村自治 |
Outline of Annual Research Achievements |
国内での研究会および国際ワークショップ、中国現地調査、文献研究を行った。 研究会は、研究代表者と分担者によりなされ、まず平成29年5月に、国際ワークショップの企画、中国現地調査について検討した。12月と平成30年1月には、中国現地調査結果も踏まえた研究の総括、出版準備中の原稿について議論した。国際ワークショップは7月に開催し、中国からの3名の研究者を招聘し、東京(一橋大学)と栃木県(那須烏山市)で行った。一橋大でのワークショップでは、3名の中国研究者の報告に加えて、日本国内からも3名の中国研究者を報告者、コメンテーターとして招き、一般公開で行った。本ワークショップでは、構造変動下にある中国の村の現在の諸相を把握し、地域社会分析のための新たなアプローチについて深く討論することができた。栃木県でのワークショップでは現地の農村視察の後に、日中比較の視点から農村ツーリズムによる地域振興、地域自治について活発な意見交換を行った。また、3名の中国研究者から中国現地調査についての助言を得た。 現地調査は、8月に実施し、甘粛省蘭州市近郊農村(2カ所)、北京市近郊農村(2カ所)を訪問した。北京市近郊農村は平成27年、28年の補足調査である。甘粛省では少数民族(回族)の村を訪問し、宗教文化(イスラム教)が農村ツーリズム(グリーンツーリズム)の形態や土地利用に与える影響を調査することができた。 平成27~29年度の研究活動により、中国農村部の人口流動性の高まりと村の自律性、持続可能性に関し、本村人により生成される地域の規範・秩序という村の基底部分を明らかにし、さらにそれと外来者、資本、政策の相互作用について、分析を深めることができた。 研究成果は、学会報告、論文発表により公開されたほか、現在、『日中社会学叢書』の1つの巻として、研究代表者と分担者が共編者になり刊行準備中である。
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