2015 Fiscal Year Research-status Report
東アジアにおける再生産レジームの形成と再編：雇用と社会政策との関係性を中心に
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15K01868
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| Research Institution | Shizuoka University |
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Principal Investigator |
李 蓮花 静岡大学, 人文社会科学部, 准教授 (30373038)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 東アジア / 再生産レジーム / 社会政策 / 労働市場 / 中国 / 韓国 / 台湾 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
初年度に当たる平成27年度には主として以下のような作業に取り組んだ。１．再生産レジーム、ポスト工業化時代の福祉国家の変遷、および東アジアの家族主義レジームなどに関する理論的な研究の成果を収集し、勉強した。２．研究対象地域（日本、中国、韓国、台湾）の雇用や社会政策、家族給付などに関する統計データを収集、整理した。３．戦後日本の労働市場（特に女性の労働市場）の変遷と保育政策の変化について、『厚生／厚生労働白書』を中心に歴史的考察を行った。４．東アジアにおける外国人労働者の増加が再生産レジームに与える影響を調べ、雑誌に寄稿した。５．中国の女性労働者保護政策と人口・家族政策の変遷について調べ、『世界の社会福祉2015年』に掲載した。
現地調査では8月から9月にかけて中国と韓国をそれぞれ訪れ、資料を収集するとともに、現地の研究者たちと意見交流を行った。なお、複数の国際会議を通じて今後の研究協力などについて目途をつけることができた。ただ、台湾に関しては、予定の2～3月に日程を確保できず、調査を実施することができなかった。
これらの作業を通じて、東アジアの再生産レジームの形成過程と現在の急激な再編について認識を深め、次年度以降の研究推進のための土台を作ることができた。
研究の成果としては、後掲の論文・報告などのほかに、社会政策学会第131大会で共通論題（外国人労働者問題と社会政策）のコメンテータを務めた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
基本的には計画どおり進んでいるが、統計データの収集と台湾での現地調査に関しては若干遅れている。その理由として、学会の仕事や報告、講演の依頼が予定より多く入ったからである。
これらの非自発的な仕事に関してはできるだけ本研究課題とリンクさせる方向で行うよう努めた。そのため、当初の計画と前後することもあったが（例えば外国人ケア労働者問題など）、結果的には本研究に役に立っていると思う。
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| Strategy for Future Research Activity |
平成28年度および平成29年度は、研究計画にしたがい、資料の収集・分析とともに研究成果の発信も進めていく予定である。
平成28年度には、やや遅れていた統計データの収集と台湾調査を重点的に行いたい。
研究報告に関しては、7月に中国社会政策国際論壇、9月に社会保障国際フォーラムで報告を予定している。日本、中国につづき、韓国と台湾の労働市場と再生産レジームについてまとめることを2年目の目標にしたい。
なお、平成28年度5月にはイギリスから研究者を招き、日韓の家族政策とジェンダーに関する研究会を実施する予定である。
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| Causes of Carryover |
海外研究調査予定地の1つであった台湾調査を、スケジュールの関係で実施することができなかったほか、謝金や資料整理のための人件費がかからなかったためである。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度および平成29年度に台湾調査を実施する。
なお、平成28年度は海外からの研究者を招いた研究会を開催予定であり、謝金や旅費などを支払う予定である。
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