2017 Fiscal Year Research-status Report
東アジアにおける再生産レジームの形成と再編:雇用と社会政策との関係性を中心に
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15K01868
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Research Institution | Tokyo Keizai University |
Principal Investigator |
李 蓮花 東京経済大学, 経済学部, 准教授 (30373038)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 東アジア / 再生産レジーム / 社会政策 / 労働市場 / 保育 / 時間政策 / ケア |
Outline of Annual Research Achievements |
3年目に当たる平成29年度には以下の作業を中心に研究に取り組んだ。 1.前年度に引き続き、日本の保育政策の形成、発展、改革およびその特徴を、労働市場、人口・家族形態の変化との関連から考察した。今年度は、行政(厚生省、厚生労働省)の視点から戦後日本の社会保障のイシューを総括する研究グループとともにその成果を本にまとめた(2018年5月刊行)。 2.韓国、中国の研究者たちと東アジアの少子化と子育て支援に関する国際共同研究プロジェクトの実施について協議し、問題意識の共有、今後の研究スケジュール、研究役割の分担などを決めた。 3.国内外の学会、セミナー、シンポジウムなどを通じて、東アジアの労働市場、家族政策に関する最新の政策動向をフォローするとともに、自分の研究成果を紹介した。 4.ケアに関する社会政策のなかでも近年重要性を増している「時間政策」(労働時間の規制や柔軟性の確保、ワーク・ライフ・バランスなど)について、先行研究の整理と日本における政策動向について研究した。(来年度中に公表予定) 以上の研究活動を通じて、歴史的および社会政策的な視点から東アジアの再生産レジームを考察するという目標に大きく近づくことができ、労働市場やケアに関する東アジアの共通性と違いがより鮮明になってきた。さらに、本研究の次に向けて新たな研究テーマ、課題も発見することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
勤務先が変わって1年目であったため、新しい教育・研究環境に慣れるのに多くの時間が取られ、以前の遅れを取り戻すほど研究の進度を速めることができなかった。そのため、研究期間の1年延長を申請し、許可された。
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Strategy for Future Research Activity |
延期後の最終年度となる平成30年度には以下のように研究を進める予定である。 1.今までの研究成果をまとめ、積極的に国内外の学会、学術誌、一般市民向けの講演会などで発信する。 2.東アジアの少子化と子育て支援に関する国際共同研究を本格的に進める。 3.本研究後の次の研究課題について、その問題意識、研究目標、具体的な進め方を整理する。
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Causes of Carryover |
転職後1年目であったため、海外研究調査などを計画どおり実施することが難しかった。 次年度には追加調査、研究成果の公表を積極的に行い、本研究をまとめていきたい。
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