2016 Fiscal Year Research-status Report
ドイツの安全保障規範の転換点―連邦軍のアフガニスタン派遣にみる国内世論と政策選択
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15K01872
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中村 登志哉 名古屋大学, 国際言語文化研究科, 教授 (70382439)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ドイツ / 安全保障 / 国際社会 / 世論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究プロジェクトは3年計画であり、その2年目に当たる平成28年度は研究計画に従い、初年度に引き続き、ドイツ連邦軍の国際協調活動、とりわけアフガニスタンにおける活動(2001年~14年)に関連する学術図書、学術論文のほか、関係文献の収集・分析に努めたほか、半構造化インタビューなどの聞き取り調査の分析などを基に、研究成果の一部を学会やシンポジウムにおける発表や学術論文の執筆を行った。 国防省、ドイツ国際安全保障研究所(SWP)、連邦軍社会科学研究センター(SOWI)など関連研究機関におけるヒヤリング調査に続き、平成28年度は連邦議会議員や有力シンクタンクの研究員らに対するヒヤリング調査を実施したほか、本研究テーマに関連する公文書や議会資料、各政党の資料の入手に努めた。これまでに入手し、あるいは提供を受けた公文書や関連文献、学術論文などについては順次読み込みと分析の作業を行った。 一方、平成28年2月12日に名古屋大学で開催した国際シンポジウム「グローバル社会と日本:戦後70年を越えて」において発表した「もう一つの敗戦国ドイツの戦後」と題するペーパーを基に、アフガニスタンを含むドイツ連邦軍の海外派兵に関する国内世論の変化に関する論文をまとめ、他の研究者による関連論文とともに、中村登志哉編著『戦後70年を越えて―ドイツの選択・日本の関与』(一藝社刊)を平成28年8月に刊行した。また、グローバル・ガバナンス学会第8回研究大会(於早稲田大学、平成28年5月14日)において、研究成果の一部を「安全保障政策における国際関与と国内論議―ドイツの場合―」として口頭発表したほか、名古屋大学グローバルメディア研究センター主催研究フォーラム『反グローバリズムとポピュリズムのナラティブ』(平成29年3月7日)を企画し、「ドイツ―テロと難民問題で問われるリーダーシップ」と題した発表などを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文献収集・調査については概ね順調に進み、これらによる考察の執筆も予定通り進んでいる。また、聞き取り調査結果の分析についても、計画に従い、概ね順調に進んでいる。また、研究成果の一部を平成27年度に加え、平成28年度にも学会発表やシンポジウムにおいて口頭発表を行い、フィードバックを得た。研究計画はおおむね順調に推移している。
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Strategy for Future Research Activity |
概ね研究計画に従って、進める予定である。ドイツにおける聞き取り調査結果の詳細な分析、文献・資料調査に基づく考察部分の執筆を進める予定である。また平成29年度も口頭発表を行うほか、論文のとりまとめ作業を進める予定である。
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Causes of Carryover |
一部の関連資料や文献の購入、収集資料の整理・保管作業などが次年度に回ったことに伴うものである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上述のように、一部の関連資料や文献の購入、収集資料の整理・保管作業が平成29年度に回ったものについては、その予算執行を平成29年度に予定している。
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Research Products
(5 results)