2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K01879
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山崎 健 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (20158132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 和宏 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (00273748)
岩佐 卓也 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (00346230)
井口 克郎 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 講師 (10572480)
浅野 慎一 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (40202593)
澤 宗則 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (40235453)
岡田 章宏 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (70185429)
橋本 直人 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (80324896)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 東アジア / 社会圏 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、多様な制度、文化、背景を持つ東アジアが一つの越境的社会圏を構築する可能性と課題を学術的に検討することを目的としている。東アジアで生じている共生と排除の営みについて、地域的固有性の視点から検討すべく、東アジアにおける社会圏の現状や、国民国家の在り方などについて、適宜ヨーロッパとの比較なども踏まえながら検討した。具体的には、本研究メンバーや外部の参加者もまじえ、定期的に研究会を以下の内容で開催(4回開催)するなどし、当該テーマに関する学際的検討を行った。
「社会保障の視点から見た『国民国家』の意義と課題」(報告者:井口克郎)/「移民問題に揺れるドイツ」(報告者:岩佐卓也)/「現代の国民国家論とウェーバーの国家論との比較に向けての抜粋」(報告者:橋本直人)/「アセアン共同体と国民国家」(報告者:太田和宏)
これらの報告を踏まえて、現代における国民国家の意義と課題に関する社会保障制度や哲学的視点による多角的考察、東アジアにおける「アセアン共同体」の設立と動向、ヨーロッパにおけるシリア難民問題など、最新の情勢を反映しながら、国民国家の課題と越境的社会圏の現状について動態的に考察を行った。とくに、東アジアにおける「アセアン共同体」構築への機運が進む一方、ヨーロッパではこの間シリア難民などの移民問題、EU共同体の先行きの不透明感が増幅しており、それらの半ば対照的ともいえる動向の行く末をさらに分析し整理していくことの重要性がメンバー間で共有された。これらの問題意識をもとに、次年度以降も研究をいっそう進行していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は定期的に研究会を開催し、研究テーマに関するメンバー間の情報共有、学術的検討、課題の精査を多角的な視点から行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
1年目に行った研究成果を踏まえ、引き続き以下の以下の研究チームと相互の連携のもと、東アジアにおける共生と排除の状態の把握、越境的社会圏の展望について横断的に研究を行う。 (1)東アジア社会圏における政治と安全保障(チームリーダー:太田 和宏) (2)東アジア社会圏における経済開発と空間的格差(チームリーダー:山崎 健) (3)東アジア社会圏における労働・福祉と公共性(チームリーダー:岩佐 卓也) (4)東アジア社会圏をめぐる歴史認識と理念(チームリーダー:橋本 直人)
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Causes of Carryover |
シリア等の難民問題の発生に伴い、東アジアの越境的社会圏の考察にその示唆を生かすべく、急遽その情報収集や分析に時間を割いた。 よって、1年目に実施する予定だった先行研究(すでに書籍や論文として公表されているもの)の分析作業の一部を、2年目以降に実施することにしたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2年目に上記先行研究分析作業を実施する。
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