2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development and Problems of the Transboundary Community in East Asia
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15K01879
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山崎 健 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (20158132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 和宏 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (00273748)
岩佐 卓也 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (00346230)
井口 克郎 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (10572480)
浅野 慎一 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (40202593)
澤 宗則 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (40235453)
岡田 章宏 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (70185429)
橋本 直人 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (80324896)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 東アジア / 社会圏 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、多様な制度、文化、背景をもつ東アジアが一つの越境的社会圏を構築する可能性と課題を学術的に検討することを目的としている。東アジアで生じている共生と排除の営みについて、地域的固有性の視点から検討すべく、東アジアにおける社会圏の現状や、国民国家の在り方などについて検討した。
最終年度となる平成29年度は、これまでの共同研究を踏まえた総括的な成果が発表された。たとえば、澤宗則『インドのグローバル化と空間的再編成』は、政治的・経済的な「東アジア」の最遠隔地たるインドでのフィールドワークをもとにグローバル化の進展と移民社会化が生み出す新たな社会構造・社会空間編成を分析することで、従来の日中韓を中心とする極東地域からフィリピン・ベトナム・カンボジア・インド等、より広域的な融合・交流の進展の中で新たに拡張・再編されつつある東アジアの越境的社会圏の変容を具体的・立体的に解明した。これは本研究の総括的な位置を占める成果の一つであり、きわめて高い評価を受けている。また、浅野慎一「現代中国をめぐる越境的社会圏の輻輳」も、本研究の総括的な位置にある成果の一つである。この論文で浅野は、中国を対象としてグローバル化のもとでどのような越境的社会圏が形成・再編されているのかを、資本と労働から宗教・民族にまで至る幅広いスペクトルの中で解明するに成功している。さらに、岩佐卓也「職務給・職務評価に関する諸問題」は、こうした東アジアにおける越境的社会圏の変容の中で日本における労働環境がどのように変化しているかを解明し、学術的のみならず実践的にも評価されている。また橋本直人「『社会環境』とは何か」は、「社会環境」概念の再検討を通じて、現代の様々な社会理論と関連づけながらこうした越境的社会圏の形成・変容の過程を理論的に総括している。
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Research Products
(8 results)