2016 Fiscal Year Research-status Report
「認知症もナンノソノ」公民館を拠点とした地域住民が創る認知症ケアに関する研究
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15K01885
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Research Institution | Meio University |
Principal Investigator |
永田 美和子 名桜大学, 健康科学部, 教授 (50369344)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大城 凌子 名桜大学, 健康科学部, 上級准教授 (80461672)
佐和田 重信 名桜大学, 健康科学部, 准教授 (00614455)
八木澤 良子 名桜大学, 健康科学部, 助教 (70513315) [Withdrawn]
伊波 弘幸 名桜大学, 健康科学部, 助教 (40712550)
前川 美紀子 名桜大学, 健康科学部, 上級准教授 (70449966)
稲垣 絹代 聖泉大学, 大学院 看護学研究科, 教授 (40309646)
吉岡 萌 名桜大学, 健康科学部, 助手 (30734727)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 認知症 / 公民館 / 「場」づくり / 住民 / 協働 / 沖縄 |
Outline of Annual Research Achievements |
沖縄の文化のひとつである相互扶助に着目し、認知症の理解や予防および認知症になっても住み慣れた地域で生活できる基盤づくりを目指している。地域住民の拠り所である公民館を拠点とした、子どもから高齢者が認知症を理解・予防し支え、支えられる「場」づくりをし、住民が主体となる町づくりの構築を目的とするアクションリサーチである。 研究者らは1回/月、地域の公民館で開催される朝市の「場」で健康相談活動(血圧測定、体重測定、体脂肪測定、握力測定、血管年齢、骨密度測定、健康相談など)を実施している。また、1回/2ヶ月、老人会を中心とした健康支援活動(身体測定、健康講和)を実施している。更に、地域で開催される行事(豊年祭、運動会など)に積極的に参加して地域住民との交流を深め、関係性ができている。老人会で「認知症の理解と予防」について講和を行った。23名の高齢者(平均年齢78.8歳)に認知症に関するイメージ調査を行った結果、全体的に否定的なイメージであった。特に「遅い」「鈍い」「ひどい」「だらしない」「病気がちな」の項目で否定的であった。一方で「大きい」「手伝ってくれる」「暖かい」「強い」の項目で肯定的であった。また、老人会を中心として「認知症になっても住み慣れた地域で生活できるようにするには?」のテーマで、高齢者同士でグループに分かれディスカッションを行った。その結果、「家族や身近な人に助けてもらいながら健康でミニディに参加してみんなで楽しく生活する」、「サークル活動(運動、趣味など)に参加して地域の交流を深めて明るい生活をする」や「健康に気をつけてお互いに交流を深めて助け合う」など、顔なじみの関係を維持しながら協力して健康に生活したいという思いを持っていることが明らかとなり、公民館を拠点として今後もお互いが気遣い・支えあえる交流の「場」づくりの必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成27年度同様に、月に1回の健康相談活動を継続しながら、当該地域の区長や老人会、婦人会、民生委員などと連携を図りながら、認知症を含めた「健康支援」の「場」づくりはできてきている。認知症の理解のために、認知症サポーターを養成できるように研修を受け、啓蒙活動を実施した。老人会を中心にして「認知症に対するイメージ」調査や「認知症になっても住み慣れた地域で生活するには」をテーマにディスカッションを実施した。しかし、アンケート調査に向けて、文献検討をすすめ、ほぼアンケート調査用紙の作成はできたが、実施ができていない。認知症に対する実態調査を実施し、「場」が効果的に運営できるようにする。
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Strategy for Future Research Activity |
地域住民の認知症に対する実態を把握するために作成した調査を実施する。調査結果をもとに、公民館を拠点とした認知症になっても「ナンノソノ」の「場」を提供できるように、1回/月の健康相談活動の継続をする。集まりやすい「場」の提供のために、区長、老人会、婦人会、民生委員、行政と協働しアクティビティケアの実施も検討する。
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Causes of Carryover |
老人会等に参加している高齢者に対しての認知症イメージの調査は実施できたが、地域住民の認知症に対する実態を明らかにするためにアンケート実施予定であったアンケート作成をしたが実施できていない。また、学会発表などを実施していない。そのため、アンケートの関わる郵送代などの費用や学会発表などの旅費が執行されていない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
地域住民に対してアンケート実施分析をする。分析結果により、公民館を拠点とした「場」づくりに必要な品物を準備する。また、学会発表をおこなう。
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