2019 Fiscal Year Annual Research Report
民主化以降の韓国と台湾における政治と市民社会の相互作用の比較研究
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15K01886
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Research Institution | Sapporo Gakuin University |
Principal Investigator |
清水 敏行 札幌学院大学, 法学部, 教授 (80196526)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 政治学 / 韓国 / 台湾 / 市民社会 / 政治 / 政党 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度には台湾を訪問し中央研究院の学者に会い台湾の政治について聴取し、また韓国では翌年の国会議員選挙について聴取し、NGOセンターで資料収集をおこなった。平成28年度には韓国を訪問し朴槿恵弾劾要求の蝋燭デモを見るとともに韓国の政治研究者にも会い、市民社会の役割や今後の政治について聴取した。平成29年度には台湾の議会図書館で台湾の市民社会と政治に関連する文献の検索をおこなった。また韓国に行き、市民社会の左派的な運動にかかわっている活動家に文在寅政権の支持層について聴取した。 上記の現地台湾、韓国でのインタビューに加え、文献収集に努めた。台湾や韓国で図書を購入するなど、英語、韓国語、中国語の三つの言語の文献を、平成27年度から平成30年度まで収集してきた。図書150冊ほど、複写した資料は数十本になる。 これまでの文献収集を通じて、台湾では民主化運動を経験した者たちや市民社会の活動に従事する者たちの政府や政党へのリクルートメントに関する研究がほとんど見られないことがわかった。これは韓国との違いになる。そのために台湾と韓国の市民社会を政治の観点から比較研究することの難しさがわかった。ただ台湾でその種の研究が皆無ではないので、少数にとどまる先行研究を手掛かりに研究を進めるほかない。 これともかかわるが、韓国における台湾政治の研究は予想通りに限られたものであった。韓国では市民社会研究が盛んなだけに台湾の市民社会に関する論文をいくつか収集できた。それでも韓国では「台湾は忘れられた国」である。このような状況であるだけに、韓国と台湾の比較研究には意義が十分にあると考える。 平成29年度4月から病気をわずらい勤務校を休務することもあった。ようやく快方に向かい始めているが、まだ研究に集中できる心身の状態ではなく、平成31年度を残す形で本助成事業を廃止するに至った。
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