2017 Fiscal Year Annual Research Report
Synthetic Studies on the US Minority Issues: Rethinking Minority Studies from the Transpacific Perspective
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15K01891
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Research Institution | Tama Art University |
Principal Investigator |
李 里花 多摩美術大学, 美術学部, 准教授 (50468956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅 美弥 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (50376844)
佐原 彩子 大月短期大学, 経済科, 助教 (70708528)
兼子 歩 明治大学, 政治経済学部, 専任講師 (80464692)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 環太平洋 / マイノリティ / リンケージ / 移民・難民 / ジェンダー / アメリカ史 / トランスパシフィック / 接合 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,本研究となる枠組みとなる「環太平洋的視点」についての議論を深め、その成果を発信していくことに力をいれて活動を行った。全体の活動としては、まずトランスパシフィック史研究の国内研究者(徳永悠、京都大学)と海外研究者(松坂裕晃、ミシガン大学)を招聘し、研究会を通して環太平洋的視点が今後のマイノリティ研究においていかなる視座を提供するのか、環太平洋という枠組みについての検証を行うことができた。さらにこの議論を踏まえ、アメリカ史学会年次大会のシンポジウムで、メンバー全員が参加する形で研究の成果を報告することによって多くの関心を集め、議論を一層発展することができた。尚、この議論を行うためには個別の実証的研究が欠かせないが、各メンバーが行った調査研究とその成果は次の通りである。 李里花:戦前のハワイにおけるコリア系移民の舞踊史が、「本場の踊り」に対する意識の変化とともに発展し、移民の伝統と文化の発展が、ホスト社会と祖国とのリンケージ構築の中で形成されていく過程を明らかにした。 兼子歩:カリフォルニア大学バークレー校で史料調査を行い、1970年代から80年代にかけて活動していたアジア人およびアジア系アメリカ人の同性愛者の団体に関する史料を閲覧・複写。環太平洋世界を移動したマイノリティの歴史についての議論に貢献した。 佐原彩子:アメリカでの調査に基づき、1950年代からアメリカ政府による難民援助が非政府組織の運営を必要としていたこと、近年の難民政策が反ムスリム言説を中心としていることを明らかにした。 菅美弥:センサス調査票のデータベース化を行ったほか、センサス調査票とその他史料のリンケージの観点から1860年、1870年センサスに記載があった、日本から移動、移住した人々へのセンサス調査と日本人移住の歴史の接合点を明らかにした。
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