2015 Fiscal Year Research-status Report
インド農村部からの労働移動と社会集団(ジャート)の関係:ビハール州の実証分析より
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15K01899
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
小田 尚也 立命館大学, 政策科学部, 教授 (30436662)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 労働移動 / ジャート / 土地所有 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、社会階層と労働移動の関係を分析するものである。その事例としてインドのビハール州農村部からの移動を取り上げている。H27年度は、文献レビューおよび過去に代表者が実施したビハール州農村部での家計調査のデータ整理を行い、家計レベルにおける出稼ぎ労働の有無を被説明変数とし、カースト分類(一般カースト(General), その他後進階級(OBC), 下層後進階級(EBC), ムスリム(Muslim), 指定カースト・指定部族(SC/ST))、土地所有、その他家計の特性を説明変数としてpreliminaryな回帰分析を実施した。その結果、ムスリムの高いモビリティが確認されたが、SC/STのそれは優位でなかった。一方で、データの叙述的観察ではSC/STのサブカースト間(ジャート)でのモビリティには差異が見られており、詳細な分析が必要となる。またインドネシアのインドラマユ県を訪問し、社会階層およびジェンダーと労働移動の定性調査を行い、ビハール州農村での調査へのインプットを得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は文献、データ整備を中心とした研究を予定しており、順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
SC/STのサブカースト(ジャート)間での労働移動選好の違いについて、データの整備およびまた現地調査による定性的な分析を行う。
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Causes of Carryover |
現地調査を2度予定していたが、都合により1度に変更としたため差額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H28年度の現地調査の日程を延長し、ビハール州農村での定性調査を行う。
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Research Products
(1 results)