2018 Fiscal Year Annual Research Report
International comparative study on "new immigrant community" activity and social capital of migrant women
Project/Area Number |
15K01908
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
李 善姫 東北大学, 東北アジア研究センター, 学術研究員 (30546627)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 移民コミュニティ / ジェンダー / 多文化共生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、東日本大震災から7年間の間に起こった被災地の外国人の移民コミュニティ結成と活動を追いながら、被災地のコミュニティにどのような変化が生じ,また彼女たちの活動によって地域社会の多様化はどのように進むのかを考察するものである。研究代表者は、研究課題遂行期間中、宮城と福島を主なフィールドとして、移住女性たちによる新コミュニティ活動の内容を収集し、活動持続においてどのような社会的資本が必要なのかを分析した。 研究の対象になった新移民コミュニティは、宮城で5つ、福島で3つであり、いずれも震災をきっかけに活動をしている移住女性たちによるコミュニティである。それぞれ、韓国移住女性によるコミュニティが1つ、中国が4つ、フィリピン女性によるコミュニティが3つとなる。震災から5年をきっかけに、幾つかのコミュニティは活動中止、またはコミュニティの再編が起きることになる。中では当初活動を主導してきた移住女性活動家が活動の終息とともに、地域社会を離れることも起きた。活動が思わしくない方向に行ったコミュニティの共通点は、いずれも周囲の協力体制の不足と活動目標の不明確や経済的問題が主な原因となっている。研究者が以前から主張していることではあるが、結婚移住女性の場合は、本人が持っている社会的資源が少ない。それゆえ、周辺の協力がない体制では社会参画が難しい。移住女性のエンパワーメント事業や多文化に関する地域共感の土台がない中では彼女たちのコミュニティ活動が難関にぶつかるのは、当然の結果と言わざるをえない。 そんな中、今年度は韓国の移民コミュニティで活躍をしている韓国在中の結婚移民女性たちを招き、日本の当事者たちとの交流と日本の研究者や活動家と一緒にシンポジウムを行うことができた。韓国社会における移民へのサポート体制が移住女性たちの社会参画を大きく後押ししていることを発信することができた。
|
Research Products
(3 results)