2018 Fiscal Year Annual Research Report
A Study of Positive Action and Women's Participation in All Aspects of Nepali Society
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15K01910
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
幅崎 麻紀子 埼玉大学, 研究機構, 准教授 (00401430)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄司 一子 筑波大学, 人間系, 教授 (40206264)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 女性の社会参画 / 就労 / ポジティブアクション / 家族 / ジェンダー役割 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、女性の社会参画の状況と家庭役割との両立方法について、これまでに収集した質的調査データの残っている部分のテープ起こしを行うとともに、これまでの調査で抜け落ちていた首都圏近郊の都市化の著しい地域において、聞き取り調査及び参与観察を行った。調査対象はポジティブアクションにて選考され、准看護師養成学校へ通った上で、村落のヘルスポストで就労する女性、公立学校の教員として期限付き雇用として採用されて働く女性、NPOの運営する学校の教員の非常勤職として雇用されて働く女性を中心に行った。 その結果、首都圏近郊では、農業と兼業をし、3世代同居もしくは拡大家族で暮らしている場合がほとんどであった。外で就労する女性は直接農作業に関わらないものの、家族の別の女性が農作業に携わっており、外で就労する女性は、帰宅後に他の家事労働(選択、食事支度等)を行うなど、一家の家事仕事を主として担っていることがわかった。 社会参画については、外での仕事に時間がとられるため、地域の社会活動に参加している時間や回数も少なかった。むしろ、家の農作業に従事し、家を空けることの少ない女性が参画していた。 しかしながら、女性が現金収入をもたらすことによって、屋内の設備が、家事時間を減少させるように変わりつつある状況が見られるようになった。即ち、夫とのダブルインカムによって、新しい家を建て、貯水槽を設け、キッチンに通水するなど、家事仕事を便利にする方向への投資が見られた。 相対的にみると、首都近郊においては生業の変化や家族形態の変化が、首都に比べると少ないがゆえに、ポジティブアクションで就労という社会参画を果たした女性達ではあっても、「伝統的な」価値観を有しそれを実行している人が多いという結果となった。
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