2017 Fiscal Year Annual Research Report
Comparative Studies of Family Support between Japan and Finland
Project/Area Number |
15K01923
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Research Institution | Fuji Women's University |
Principal Investigator |
木脇 奈智子 藤女子大学, 人間生活学部, 教授 (00280066)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | フィンランド / ネウボラ / スウェーデン / 家族支援 / 保育所 / ジェンダー |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は本研究の最終年度であり、前年度までに現地調査で得られた知見すなわちフィンランドの家族支援の理念、ならびにネウボラの実際、ネウボラ・ナース養成の理念と実際等、主としてネウボラを通してみられたフィンランド国の子育ての理念について理論構築を行った。それらについて学会発表を2回と、平成29年度より日本で設置が努力義務となった子育て世代包括支援センター(日本版ネウボラ)の設置に向けて、北海道市長会において報告を行った(平成29年11月)。日本版ネウボラはまだその緒についたばかりであり、この時期の現地研究にもとづいた情報提供は地方自治体にとってタイムリーで意義のあるものだったと思われる。今後も本研究の成果を学会にとどまらず、社会貢献に生かしていきたい。 平成29年8月には3回目の現地調査を行った。これまでに調査をした家族支援のシステムがフィンランドに限定されるものなのか、あるいは北欧諸国に一般化できるのかを知るために、ウェーデンで調査を実施した。リンショーピン市およびヨーテボリ市において、保育所や地域図書館における子育て支援施設、中学校(家庭科)、成人学校、大学(幼児教育)におけるインタビューに加え、3人の離婚を経験した女性にインタビューを行った。スウェーデンの保育士は不足しており、無資格者も多く現場に入っている。家庭科教育はジェンダーや消費者教育が充実しており、生活者としての基礎教育に力を入れていた。また家族内のトラブルを無料で相談できるファミリエレッテン制度や裁判所の制度、職業を持たない者が無償で教育を受けられる成人学校など、自立へのシステムが充実している。子育てにおいては産前産後ケアを国が行なっていた。ネウボラと目的を同じくする公的な家族支援が存在することが明らかになった。離婚後の子どもは、公平性を期すために両親の住居を週ごとに行き来するなど負担があると感じられた。
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Research Products
(4 results)