2016 Fiscal Year Research-status Report
リニア中央新幹線開業を活かした地域づくりのあり方:岐阜県を事例に
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15K01942
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
三井 栄 岐阜大学, 地域科学部, 教授 (30275119)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | リニア中央新幹線 / 地域への経済効果 / 観光への影響 / まちのにぎわい創出 |
Outline of Annual Research Achievements |
リニア中央新幹線は、東京・大阪をリニアモーターカーにより約1時間で結ぶ計画であり、2027年に東京・名古屋間を40分で結ぶ先行開業を目指している。中間駅は神奈川県・山梨県・長野県・岐阜県に設置予定であり、岐阜県中津川市には併せて車両基地を設置される計画である。「リニア名古屋駅の利用が中心となるエリア」と「リニア中間駅の利用が中心となるエリア」を併せ持つ岐阜県および中津川市とその近郊市町に対し予想される経済効果の計測を行う。 平成27年3月には、岐阜県リニア中央新幹線活用戦略研究会基盤整備部会において、リニア岐阜県駅周辺整備基本画で駅前広場をはじめとする駅周辺施設等の整備に係る全体像や必要とされる個別機能が整理されたため、研究代表者の三井は、「リニア岐阜県駅周辺整備協議会」のメンバーとして、駅周辺のにぎわいを創出する機能を十分に果たし、かつ、よりコストを低減した整備・運営が図られるよう、民間事業者等にヒアリングを行い、にぎわい創出施設の整備内容及び民間事業者の活用を含む事業手法のあり方について調査検討に参画し、駅周辺施設等の整備や駅を活かした地域づくりのための施策に貢献している。 また、中津川市と恵那市のご協力の下中津川市民および恵那市民を対象にアンケート調査を実施した。調査結果を用いて、中津川市に設置されるリニア岐阜県駅(仮称)開業に対する期待や駅の役割等に関する意識を考察した。その結果については学術論文「リニア中央新幹線岐阜県駅周辺整備に関する考察 -中津川市民・恵那市民のアンケート調査結果より-」『地域科学部研究報告』第40号として発行下。同時に、調査に関する報告と意見交換会を中津川市において実施し、地域に対し成果を還元している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初は最終年度にリニア岐阜県駅が設置予定の岐阜県および中津川市とその近郊市町に対し予想される経済効果の計測を行うこととしているが、概ね28年度に調査を実施しており調査結果の取りまとめと学術論文として公刊、調査に関する成果の還元としては中津川市において恵那市の担当者も含め報告会と意見交換会を実施した。さらに住民の意識構造に関する分析を試行し、学会報告を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
リニア中央新幹線開業がもたらす経済効果について計測するため、(1)岐阜県中津川市と恵那市における住民調査の実施と(2)住民調査を用いた地域づくり事業に関する調査について広域にわたる客観的なデータの共有や主観的なアンケート調査などを行い、共分散構造分析により数量的把握し、分析結果については学術的な論文として公表していく。 また、昨年度までは当初の計画以上に進展したため、新たに、長野県をはじめとした地方圏の他地域における駅整備計画と観光産業への影響について比較調査を検討していく。 同時に既に開業している新幹線駅の調査と開業後の経済効果の動向把握を行うことで、リニア中央新幹線開業がもたらす地域への効果の持続性やそのための施策のあり方を模索していく。
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Causes of Carryover |
中津川市や恵那市のご協力があり、調査助手の費用が相対的に少なくなったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
リニア駅設置予定の長野県や既に開業している新幹線駅の調査を行うため、それに伴う旅費と調査助手(データ入力)が必要になる
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