2017 Fiscal Year Research-status Report
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15K01943
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
武田 竜弥 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90254127)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 産業観光 / 複合観光 / 都市の再開発 / 国際研究者交流 / フランス |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、①フランス共和国南部(トゥールーズからマルセイユにかけて)の現地調査と②ボルドー地方の調査結果の分析及び論文執筆を行った。 ①では、平成27年度から継続的に行っているフランスの産業遺産と産業観光、さらにボルドー研究から展開した都市の再開発と観光振興の事例について調査を行った。主な調査地は、ミディ運河(トゥールーズ及びカルカッソンヌ)、アヴィニョンを起点としたローヌ地方のワインツーリズム、マルセイユであった。トゥールーズと地中海を結ぶミディ運河は近世フランス(17世紀)を代表する土木遺産で、1996年にユネスコの世界遺産に登録された。カルカッソンヌでは閘門の通過も体験できる同運河のクルーズのほか、同じく世界遺産に登録された中世の城塞と組み合わせた複合観光の事例が確認できた。アヴィニョンでは前年度までに調査をしたボルドー、ブルゴーニュのワインツーリズムとの比較調査を行った。その結果、旧教皇庁を中心としたアヴィニョンの歴史観光は大変充実しているものの、ローヌ地方のワインツーリズムに関しては、他の二地方に比べいまだ発展途上であることがわかった。マルセイユでは、フランスで推進されている地方分権と観光を軸とした町づくりに関する資料収集を行った。ここで収集した資料は、ボルドーの事例との比較研究に用いる予定である。 ②では、文献資料と現地調査の結果に基づき、1995年に始まったボルドーの再開発の現況を「住みよい町づくり」と「訪れたい町づくり」の対比という視点から分析した。紙幅の都合上、今年度の論文では2007年のユネスコ世界遺産登録に至る歴史地区再生の経緯に重点を置いたが、その後の動向については続稿で論じる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度はボルドーの研究を通じて、都市の再開発と観光振興の関係を「住みよい町づくり」と「訪れたい町づくり」の対比から分析するという視点を得ることができた。またフランスの産業遺産とワインツーリズムに焦点を当てた産業観光振興策の調査も予定通り進めており、新たな知見が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度が本研究の最終年度に当たるため、これまで取りこぼしてきたフランスの産業観光拠点の調査を進めるとともに、研究の総括を行う。またその研究成果を論文として取りまとめる。
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Causes of Carryover |
理由:助成額が請求額より減額されたため、調査計画を一部変更した。 使用計画:今年度の未使用分を次年度の研究費と合算し、できるだけ当初の計画に沿った規模の海外調査を実施する。
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Research Products
(2 results)