2018 Fiscal Year Annual Research Report
Changes of urban space and resident involvement into it with development of tourism
Project/Area Number |
15K01945
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
堀田 祐三子 和歌山大学, 観光学部, 教授 (40346250)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | イギリス / 観光空間管理 / 集客 / BID |
Outline of Annual Research Achievements |
日本における観光の発展と都市生活空間管理との関係性を相対化すべく、イギリスの観光・集客空間管理について調査を行った。全体の研究目的および対象地の現状を勘案し、①日常的なレジャー活動空間としての中小都市中心部、②都市観光の目的地としての大都市中心部、③旧来型の観光都市における観光空間の3つを対象として文献調査と関連団体(Business Improvement District:BID)へのインタビュー調査を行った。 中小都市の中心部では、BIDが地域住民の日常的な生活機能の充足と地元事業者のビジネスの持続可能性および新規参入支援を核として活動する一方、プレイスメイキングや集客イベント支援を通して地域住民だけでなく、親戚知人の来訪者(Visit Friends and Relative:VFR)をも集客のターゲットとして捉えた活動を行っていた。地元事業重視のBIDの活動方針が、中心部の日常的レジャー空間としての特性の保持に影響を及ぼしていると推察する。 大都市中心部では、パトロールや清掃活動といったBIDの一般的活動に加えて、ホームレス支援対策への協力等社会的課題にも関与している状況が確認された。 3つ目はビーチリゾートとして人気を博した沿岸観光都市である。観光都市にとって観光の衰退は都市全体の衰退に直結するので、観光振興は観光事業者だけでなくその事業従事者(労働力)としての住民にとっても死活問題となる。そのため、都市中心部ほど観光客の来訪が期待できない中心部周辺の集落地区においても、都市空間を観光都市として維持するための取り組みに対しては地元事業者の理解が得られやすく、またボトムアップのガバナンスと各集落の特性を反映した活動が可能な仕組みの採用によって、BIDによる都市全体の観光振興とその周辺地区の活性化対策(エリアマネジメント)の連動が可能になっていることが確認できた。
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Research Products
(4 results)