2015 Fiscal Year Research-status Report
世界遺産観光地と住民のエンパワーメントに関する研究
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15K01951
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Research Institution | Takasaki City University of Economics |
Principal Investigator |
丸山 奈穂 高崎経済大学, 地域政策学部, 准教授 (60612603)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 住民のエンパワーメント / 観光と住民参加 / 富岡製糸場 / 日光の社寺 / 世界遺産 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、富岡製糸場周辺地域および日光の社寺周辺地域を主な例として、世界遺産登録に伴う地域の観光地化がどのように住民のエンパワーメントへの手段となり得るかを探ることにある。本年度の前半は、世界遺産登録への背景や観光地化に関する「地域コミュニティ」の成り立ちを探るために主に文献調査を実施した。アメリカ、アジア諸国など海外における世界遺産およびその周辺地域の観光地化と住民のエンパワーメントに関する論文を精査した。観光地化がもたらす恩恵および問題点や世界遺産の種類や登録までのプロセスに着目した。また観光地化にあたってどのような市民グループが関わっているのかにも着目をした。 本年度の後半には、海外(アメリカ)で類似の研究を行っている研究者とコンタクトを取り今後の研究に関する協力体制を作ることができた。協力者とディスカッションをしながらアンケート票の作成に着手した。特に日光の社寺周辺では海外からの観光客を多く受け入れているため、観光客と地元住民間の異文化交流および住民のエンパワーメントに関する論文を精査し、使用する尺度の選択および修正を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
アンケート票の作成および海外事例の現地調査に関して遅れが生じている。アンケート票に関しては、すでに使用したことがある尺度については問題がないが、新たに適用する尺度の作成や修正が遅れている。これは他の業務との兼ね合いで時間的に無理が生じ、現地を訪れてのキーパーソンとの面接調査がまだ実施できていないからである。海外事例の現地調査に関しては、スケジュール調整が難航し、27年度の夏は実現しなかったが、28年度夏に実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度前半には、現地にてキーパーソンとなる人(観光業に携わる人など)と面接調査を実施し、そのデータを質的研究として分析するとともに、アンケート票にも反映させる。後半にはアンケート調査を実施する。アンケート調査は、まず富岡製糸場周辺で実施し、次に日光の社寺周辺で実施する。アンケート対象者は、各地域に住む世帯主もしくはその配偶者とし、多段階集落サンプリングによってサンプルを抽出する。夏には海外にて調査を行う。
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Causes of Carryover |
本年度は時間的理由から予定していた現地調査(国内外)を実施することができなかったため、研究費の使用がなかった。また、文献調査を主に実施していたが、本年度中に必要だった文献は図書館などを通じて入手することが可能だったため予定より研究費の使用が少なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は面接調査およびアンケート調査のための旅費、消耗品、および謝金、データ収集およびデータ入力のための人件費、海外事例の現地調査のための旅費を使用する予定である。また、アンケート票の修正や論文執筆にあたって必要な文献の購入にも充てる。
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