2017 Fiscal Year Annual Research Report
Sustainable Tourism Development and Community-based Tourism in South Asia
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15K01958
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Research Institution | Nara Prefectual University |
Principal Investigator |
中谷 哲弥 奈良県立大学, 地域創造学部, 教授 (50285384)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
外川 昌彦 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (70325207)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 観光 / コミュニティ・ベースト・ツーリズム / 持続可能な観光 / インド / バングラデシュ / 農村観光 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度において、代表者である中谷はインド南部のケーララ州におけるコミュニティ・ベースト・ツーリズムの取組について調査を実施した。同州では近年、バックウォーター(水郷地帯)での船上遊覧やホテル・リゾート開発などでマスツーリズムが盛んとなってきた。一方で、そうした観光開発の恩恵が地元には還元されないばかりか、環境悪化による観光公害の様相を呈していた。この状況に対して、州政府及び州政府が任命する民間出身のコーディネーターが中心となり、新たな観光の取組がなされてきた。これにより、ホテルやリゾートとの間での地元の農産・畜産品や工芸品の恒常的な納入の取り決めや、地元民がバックウォーターを案内し地元文化の体験を観光客に提供する村落ツアーの提供などが始まった。これらの取組はいずれも地元民の組織化や組合活動と連動する形で実施されており、コミュニティ・ベースト・ツーリズムの取組として先進事例というべきものであった。 研究分担者の外川は計画の最終年度として、成果のとりまとめと報告を中心とした研究を実施した。特に、2018年1月にバングラデシュ・ジャハンギルノゴル大学で開催された第5回国際ベンガル学会において、グローバル化のもとでのベンガルの民俗文化と観光化に関するパネル報告を行った。 初年度からの3年間において、主としてインドとバングラデシュにおける事例を調査することで、南アジア地域における持続可能な観光としてのコミュニティ・ベースト・ツーリズムの現状と課題について検討してきた。その結果、中央政府が主導するインドの「農村観光」では成果が得られていない一方で、州政府や民間のNGO等が深く関わる事例においては成功裏に進捗しつつあるものが認められた。また、南アジアの特徴的な自然環境や文化を生かした事業が取り組み可能であることも確認された。
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