2016 Fiscal Year Research-status Report
観光目的地におけるマネジメント組織に関する理論的・実証的研究
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15K01973
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
高橋 一夫 近畿大学, 経営学部, 教授 (90469304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏木 千春 流通科学大学, 人間社会学部, 教授 (50454749)
室岡 祐司 九州産業大学, 商学部, 講師 (50615359)
田中 祥司 神戸山手大学, 現代社会学部, 講師 (70704922)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | DMO / 多様で安定した財源 / 利害関係者管理 / サービス提供システム / 震災時の観光地マネジメント / 知覚リスク / 情報探索 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、観光目的地(Destination)の観光振興推進主体として期待されるDMO(Destination Management Organization)の進化を主テーマとして、総合的なマネジメント組織としてのDMOに求められる二つの側面のマネジメント、つまりマーケティングをはじめとした機能に関するマネジメントと観光目的地内の多様なステークホルダーに関するマネジメントに焦点を当てながら理論的・実証的に考察することにある。 2年目にあたる28年度は、①アメリカのDMO及びDMOの多様で安定した財源のあり方を支えるTID、BIDについてインタビューを実施し、昨年度のデスクリサーチ、国内関係者からのインタビューから取りまとめた仮説に対し実証的な検証と考察をおこなった ②欧米に倣ってDMOの導入を試みている日本のDMOが、日本の社会に合った組織化と運営方法とはどのようなものかについて、多様な利害関係者に参画してもらいながら、ゆふいん観光協会、おぢかアイランドツーリズム、八ヶ岳ツーリズムマネジメント、いいやま観光局、阿智村観光局、阿蘇、雪国観光圏の代表から、観光地マネジメントの実際についてインタビューを実施した。 ③4月に発生した熊本地震において、観光マネジメント組織の対応を記録しその役割やガバナンスのあり方を明らかにするために、九州観光推進機構はじめ熊本、大分を中心に九州の観光推進組織、自治体、旅館経営者、旅行業者など約20か所へヒアリング調査を行った。 ④一方で、旅行者側の購買意思決定プロセスに影響を与えると言われている知覚リスクに焦点を合わせ,量的調査を実施した。 これらの実績をもとに3年目に向けた研究を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
科研費を有効に活用し、海外DMOインタビュー、国内DMOインタビュー、震災時インタビュー、及び旅行者の重要な意思決定全般の量的調査を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通りに理論的・実証的考察をすすめ、日本の観光目的地に適応可能なDMO理論を構築する。また、出版、論文等での発表を予定している。 なお、先の考察で重要な発見と関係性の構築に伴い、本年度予算の一部を次年度に繰り越す手続きをおこなった。内容については既に概要を確定しているため、スムーズな研究の推進を試みる。
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Causes of Carryover |
以下の3点の理由で、次年度に調査の期間延長をするため、次年度の使用額が生じた。 ①本年度の調査において,一般消費者モニターではなく,リサーチ会社が抱えるモニターを対象に調査を行うことで,調査費用を抑えたことによる。②国内事例の情報収集については、各地域で観光地域づくりリーダーとして実践している方々からインタビューにより成果がでたため、旅費の使用を抑えたことによる。③業務調整ができずDMO関連セミナーへの参加や海外先進DMO視察による情報収集が予定できなかったことによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度でもあり、2017年10月までに予定の調査を終了するように計画する。
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