2017 Fiscal Year Research-status Report
形而上学的接地関係の定式化に基づくメタ形而上学的論争の調停
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15K02001
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小山 虎 大阪大学, 基礎工学研究科, 特任助教(常勤) (80600519)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | メタ形而上学 / 概念分析 / 分析哲学 / 分析形而上学 / 分析哲学史 / 二十世紀学問史 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、実在論的アプローチと反実在論的アプローチの調停に関する具体的手法の検討として、主に歴史的観点から実在論的アプローチをアメリカ型(W. JamesからNew Realism、Critical Realismを経てD. Lewisに至る認識論主導型の実在論)、ドイツ型(マールブルグ派新カント主義から論理実証主義の科学哲学を経てJ. Schafferに至る科学哲学主導型の実在論)、中欧型(Brentanoからポーランド学派を経てK. Fineに至るアリストテレス主義的な実在論)の三つに分類し、そのそれぞれと反実在論的アプローチとの関係を調査した。その調査結果を日本哲学会、科学基礎論学会、日本科学哲学会で発表した。加えて、関連するワークショップを関西哲学会で開催し(申し込み時は非会員だったため司会として参加)、スピノザ協会にて講演を行った。このほか、名古屋大学と東京大学にてセミナーの招待講演を務めた。 また、これらの結果を踏まえた分析哲学観の見直しについてアメリカ・ラトガース大学にて、研究協力者である同大学教授2名と研究打ち合わせを行い、それを踏まえて2018年8月に台湾にて開催される4th Conferene on Contemporary Philosophy in East Asiaへの発表申し込み準備を行った(2018年4月に申し込み完了)。 さらに、昨年度から新たに開始した、分析哲学以外を専門とする哲学者との共同研究の成果として論文集を企画し、現在出版社と交渉中である。また、単著についても同様に出版社と交渉している。いずれも前向きな返事をもらっており、2019年の出版を目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
歴史的観点からの研究を推し進め、複数の学会発表を行ったことで、分析哲学観の見直しを目標とする本研究課題の重要性を分析哲学を専門とする哲学者の多くに認識してもらうことができた。また、スピノザ研究者、プラグマティズム研究者、ドイツ近代哲学研究者など、分析哲学以外を専門とする研究者との共同研究が予想以上に進展し、その結果として、学会でのワークショップの開催や論文集企画が実現できた。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度までに国内の学会で研究成果を公表して来たが、今年度は台湾で開催される国際会議4th Conferene on Contemporary Philosophy in East Asiaや、ドイツ・ハンブルク大学で開催される国際ワークショップに参加して、研究成果を国際的に広める。また、論文集および単著の作成を進める。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由:昨年度までの研究により歴史的観点から分析哲学観を見直すことの重要性が判明したため、研究協力者と相談し、当初予定していた本年度にオーストラリアで開催される国際会議での成果発表をとりやめて歴史的観点からの調査を実施した結果、差額分の未使用額が生じた。
使用計画:来年度に台湾で開催される国際会議で成果発表を行う。必要であればさらなる文献調査も実施する。
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Research Products
(8 results)