2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K02019
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
山本 史華 東京都市大学, 共通教育部, 准教授 (20396451)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 生命倫理 / 日常生活 / エートス / 後衛 / 低線量被曝 |
Outline of Annual Research Achievements |
生命倫理学の成果と日常生活とを接続させるために、生命倫理に関する一般的な読み物を出版する予定でいたため、執筆に多くの時間を費やした。しかし、思うように進まず、平成27年度内の出版には間に合わなかった。 日常生活で進行しつつある低線量被曝の問題を生命倫理学のなかに課題として組み入れるためにはどうすればよいのかについて、7月に学会発表(岩手哲学会第49回大会)を行った。学会では非常に参考となる意見をいただき、今後の見通しを立てるためにとても役に立った。また、その内容を基にした論文を執筆し、学会誌『フィロソフィア・イワテ』第47号に投稿し、査読を経て、掲載された。 情報収集としては、日本医学哲学・倫理学会、日本生命倫理学会、日本倫理学会、日本移植学会などに積極的に参加し、最先端の生命倫理学の課題として何が議論されているのかを調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初は、生命倫理の課題を日常生活の中に置き直し、最先端の医学や医療がエートスや思考様式、文化をいかに変えていく可能性を持つのかを、わかりやすく書いた一般書を出版する計画であったが、執筆が遅れて間に合わなかった。そのため「やや遅れている」の評価だとも言えるが、その分、学会で研究発表をし、専門論文を執筆したため、全体的に見れば「おおむね順調に進展している」の評価に値すると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
生命倫理の課題を日常生活の観点から捉えなおす一般書を発刊させることを最優先の課題とする。そしてその本を基に様々な場で討論の機会をつくっていくことを計画している。と同時に、東日本大震災と福島第一原発事故から5年以上が経過したことを受け止め、まだまだ復興途上のなかで、それでも生命倫理学はいかなる希望を見出していけるのかについて考察を重ねていきたい。そして、その考察をまとめて、学会発表ないしは論文として世に問うていくことを考えている。
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Causes of Carryover |
医療系の学会への参加費としてその他の支出費目に多めの金額を組み込んでいたが、当初参加を予定していた日本再生医療学会の第15回総会に参加することができなかったため残額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度は日本再生医療学会をはじめとして、いくつかの医療系学会に参加する予定でいるため、そのための学会参加費として使用する計画である。
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