2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K02030
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
内山 直樹 千葉大学, 文学部, 教授 (20449284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐川 繭子 國學院大學, 教育開発推進機構, 准教授 (00445719)
古勝 隆一 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (40303903)
嘉瀬 達男 小樽商科大学, 言語センター, 教授 (80449537)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 目録学 / 漢代 / 春秋学 / 辞賦 / 劉キン |
Outline of Annual Research Achievements |
『漢書』芸文志については、従来その体系性・網羅性に研究者の関心が集中する傾向があったが、それは裏を返せば、静態的な分析には向いていても、動態的・通時的な考察には馴染みにくいということである。本研究はその欠を補うべく、むしろ『漢書』芸文志のうちに垣間見える体系性の綻びとも言うべき部分に着目することを通じて、その分類体系、および各部類への書物の帰属決定基準が、いかにして形成されたかという問題に取り組んでいる。 『漢書』芸文志の提起する問題は多岐に渉るので、本研究では、1)春秋家の形成過程、2)史部成立への展開、3)詩賦略の位置づけ、4)劉キン思想の影響、という4項目に的を絞り、それぞれ内山・古勝・嘉瀬・佐川がリーダーを担当することにより、研究を合理的に進めている。初年度においては、各リーダーは自身の担当する研究項目に関し、関連文献や先行研究の収集・調査・読解を行い、研究方針の確立に努めた。メンバー間での情報・アイデアの共有については、メールによるほか、随時研究会を開くこととしており、初年度はスケジュールの都合によりリーダー4名が一堂に会しての検討会は開催できなかったものの、3名による会合を1回、2名および研究協力者を交えての会合を4回行うことができた。 また、研究項目中の「詩賦略の位置づけ」に関して、項目リーダーの嘉瀬が、詩賦略における諸書の著録形式を分類し、作品や史書の記述と照らし合わせることでその意味を解明し、その研究成果を学術論文として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた「春秋家の形成過程」に関する研究は成果を公刊するまでに至らなかったが、かわりに「詩賦略の位置づけ」に関連する研究成果(嘉瀬)を公刊することができた。順序は入れ替わったものの、おおむね順調と判断する所以である。
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Strategy for Future Research Activity |
先送りになった「春秋家の形成過程」の項目に関しては、すでに一定の準備を終えているため、速やかに進捗させる。また、リーダー4名を含めた研究集会を開催する。さらに、海外の研究者を招いての拡大研究会を今年度中に開催する予定である。
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Causes of Carryover |
海外資料調査の日数が予定より短く済み、また国内研究集会の回数も予定より少なかったため、旅費の支出が計画より低く抑えられた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
9月末に海外から研究者を招いて研究集会を開催する計画を立てている。その費用(打ち合わせのための旅費、翻訳・通訳・会場設営等の謝金等)に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)