2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K02030
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
内山 直樹 千葉大学, 文学部, 教授 (20449284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐川 繭子 國學院大學, 教育開発推進機構, 准教授 (00445719)
古勝 隆一 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (40303903)
嘉瀬 達男 小樽商科大学, 言語センター, 教授 (80449537)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 方技 / 中国医学 / 扁鵲 / 目録学 / 春秋学 / 劉向 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の特筆すべき成果としては、まず台湾より李建民氏(中央研究院歴史語言研究所)、国内より浦山きか氏(森ノ宮医療大学)という、中国医学史・中国医史文献を専門とする研究者をゲストスピーカーとして招聘し、千葉大学において研究集会「方法としての中国医学出土文物」を開催したことが挙げられる。この研究集会は、『漢書』芸文志方技略医経の著録状況が示唆する、漢代医学における黄帝学派と扁鵲学派の並立とその後における前者の隆盛および後者の衰退といった問題をめぐり、老官山等の最近年の出土文物を用いてアプローチすることの有効性について検討したものである。本研究課題との関連でいえば、本研究課題は主として六芸・諸子・詩賦の三略を対象とするものだが、この研究集会を通じて兵書・数術・方技の技術系三略の形成過程やその学術史的背景に関する知見を得ることにより、総体としての『漢書』芸文志の動態的に対して重要な示唆が与えられた。さらに、今後の国際的共同研究についても打ち合わせを行った。なお、この研究集会には、国内外より医薬学の研究者を含む二十名強の参加者が出席し、学際的な観点から活発な議論が交わされた。 次に、本研究課題の掲げる4つの研究項目に関しては、「春秋家の形成過程」については内山が予備的な研究発表を行い、「劉キンの思想」について佐川が論文と研究発表を公にしたほか、それぞれの研究項目でリーダーを中心に文献読解等の基礎研究が進められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初最終年度に予定していた、海外の研究者を招いての研究集会を、諸般の事情により今年度開催したため、研究計画の進行手順に若干の入れ替えが生じたが、全体として見れば順調と評価しうる。
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Strategy for Future Research Activity |
2年間で4つの主要研究項目のうち2項目については一定の研究成果を発表したが、残る2項目についても速やかに研究成果を発表する。また今年度開催した研究集会を機に、技術系三略(兵書・数術・方技)に関しての予備的研究も盛り込んでいく。
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Causes of Carryover |
研究集会の開催に関わる経費の一部について研究機関の援助を受けたため。また調査旅行を繰り延べたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
調査旅行の費用と資料購入に使用する。
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Research Products
(5 results)