2017 Fiscal Year Annual Research Report
Spread of Yangming school and the role of Shuyuan Temples of it - a research around the Jiajing period
Project/Area Number |
15K02034
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
鶴成 久章 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (20294845)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 王守仁 / 精舎 / 書院 / 従祀 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、文献研究の方面では、まずは前年度に引き続き「地方志」の分析を行った。特に、前年度調査が及ばなかった地域(福建省、湖南省、広東省、広西省、貴州省)の調査を集中的に行った。さらに、書院志や明人文集を対象とする調査も継続して行った。一方、現地調査については、2017年7月に、福建省武夷山地区に所在の書院・精舎遺址を訪れ、王守仁とその後学に関係する史跡や石刻資料等の調査を行った。さらに、2018年3月には安徽省ジョ州の紫微泉陽明書院遺址、浙江省余姚の陽明書院遺址、王守仁故居ほかを訪れ、現地に残存する明清期の石刻資料等を撮影し調査した。 本年度は、研究計画の最終年度であったことから、研究総括のための作業も同時進行で行った。具体的な作業内容としては、まず、王守仁の逝去後に各地に建立された書院と祠廟のうち嘉靖年間に王守仁の直弟子が建立したものについて、名称、所在地(明代の行政区画、現在の行政区画)、設立に関与した門人の一覧(字号、生卒年、出身地、師事時期、登第年ほか簡単な履歴)、残存する書院記・祠廟記等(文献名、巻数)を整理した。これらについては、現地調査によって得られた資料(建築物、扁額、楹聯、石刻、その他関連の文物の写真データ)と合わせて、今後少しずつ公開していくための整理作業を現在も進めている。 なお、今年度の主な研究成果は、「万暦元年浙江郷試の策題について――王守仁の孔廟従祀と浙江王門――」(『東洋古典學研究』第45集)をはじめ、学術論文のかたちで公開している。
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