2016 Fiscal Year Research-status Report
「大谷探検隊将来ウイグル語仏教写本目録」にむけたデータベースの構築
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15K02049
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
橘堂 晃一 龍谷大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (00598295)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 古代ウイグル語 / 写本研究 / 大谷探検隊 / 中央アジア仏教 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題は、羽田明・山田信夫「大谷探検隊将来ウイグル字資料目録」(『西域文化研究第四 中央アジア古代語文献』1961年、法蔵館)に代わる新たなウイグル語写本、特に仏典資料を中心とする目録の作成を目指すものである。3年計画の2年目にあたる2016年度に行った研究活動は以下の通りである。 ① 初年度に引き続き龍谷大学図書館に保管される古ウイグル語文書を実験し,法量の採寸および内容の解読を行った。資料の中には仏教以外の宗教文献および世俗文書も多数ふくまれており、そのすべてを把握することは代表者の能力を超えている。そこでマニ教および仏典についてはPeter Zieme氏、社会経済文書については松井太氏に適宜アドヴァイスを求めた。 ② 大谷探検隊と同じ地域から収集した古代ウイグル語文書コレクションを持つロシア科学アカデミー=サンクトペテるブルグ東方文献研究所のマイクロフィルム資料を東洋文庫で調査し、大谷探検隊将来資料との関連資料の把握に努めた。 ③ 天理大学図書館所蔵のウイグル語写本についてPeter Zieme氏と調査を行った。 ④ ①と②の成果を承けて、『西域研究叢書6 大谷探検隊収集西域胡語文献論叢:仏教・マニ教・景教』(龍谷大学仏教文化研究所西域研究会、2017年3月)の編集に携わり、自身も「大谷探検隊将来ウイグル文『大乗入道次第』残葉」と“New Light on the Huayan jing in Old Uighur from the Krotkov Collection and Yoshikawa Photographs”を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文献目録の作成と大谷探検隊将来写本の調査は全体の3分の2を完了した。とくに仏典とそれ以外の宗教文献と世俗文書の把握におおよその目途がたったことは大きな進展である。ただし、予定していたドイツの調査は治安情勢に鑑みて断念せざるを得なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度の研究計画は以下の通り。
① 2016年度に実施できなかったベルリン・ブランデンブルグ科学アカデミー・トルファン研究所所蔵の古代ウイグル語写本の調査。 ② 龍谷大学所蔵古代ウイグル語写本を重点的に調査する。 ③ 最終的に「大谷探検隊将来古ウイグル語総合目録」のためのデータベースの完成を目指す。
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Causes of Carryover |
予定していた海外機関での写本調査を治安情勢に鑑みて延期したことにより残額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2016年度に予定していたベルリンでの写本調査に充当する。
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