2015 Fiscal Year Research-status Report
宗教法人の境内地の空間変容と公共性に関する調査研究
Project/Area Number |
15K02058
|
Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
石井 研士 國學院大學, 公私立大学の部局等, 教授 (90176131)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 明 東京大学, 人文社会系研究科, 准教授 (00381145)
藤原 聖子 東京大学, 人文社会系研究科, 准教授 (10338593)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 宗教法人 / 宗教法人法 / 境内地 / 宗教法人会計 / 神社 / 寺院 / 教会 / キリスト教 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、第一に調査票の確認を行った。調査研究対象は、段ボールで200箱に及ぶ膨大な量のデータである。膨大な資料のため、すでに記入のある番号を確認しながら、段ボールに新たに番号を振った。倉庫での確認作業を経て、必要な資料を研究代表者である石井の研究室へ移動した。特段科学研究費での研究のためのスペースを確保できず、年度当初、夏期休暇前、年末の三回にわたって研究室へ運び入れたが、それでも100箱が限度であった。県別、宗教系統別(神道系・仏教系・キリスト教系・諸教)に順次搬入することとした。研究室にて、段ボールごとに資料を確認し、詳細な内容を段ボールに表記した。 番号順に段ボール内の資料をpdf化した。当初は、境内の利用状況の変化を把握しやすいと考えられる都道府県から優先的に一覧を作成し、東京都、神奈川県、愛知県、大阪府、京都府、福岡県の順として作成に必要とする時間数を確認して、他県の処理範囲を決定する予定であったが、県別番号1の北海道から順次スキャンすることとした。 スキャンに関して、劣化の激しい資料が少なくなく、そのために非接触型のスキャナーを用いて作業をすることになったが、そのために予想された時間を上回ることになった。それでも最終的には、申請書に明示したA3判両面利用の境内地資料に関しては、すべてpdf化を終了した。ただ、新たな発見として、保存されていた資料には、境内地の資料だけでなく、当時の個々の宗教法人の経理状況が記載された(自己申告)が膨大にあることがわかった。 申請段階の計画では、具体的な調査事例を1例だけ取り上げることとしていたが、研究室のスペース上の問題からpdf化を急いだために、遂行できなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請段階の計画では、境内地資料を用いて、その後の境内地利用の具体的な調査事例を1例だけ取り上げることとしていたができなかった。資料のpdf化は順調に進んだが、宗教法人会計資料が存在することが確認され、その精査に時間を必要とした。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成27年度に実施した資料のpdf化、整理分類を粛々と継続する。とくに、平成27年度に新たに発見された個別宗教法人の会計に関する書類の質がひどく、ぼろぼろの状態のものが大半であるため、pdf化に関してもこれまで以上に時間を必要とする可能性が大きくなった。 そのために、優先的に、東京都、神奈川県、愛知県、大阪府、京都府、福岡県の6県の資料の数量化を行うことを平成28年度の目標としているが、時間の経過を見ながら、さらに都県の数を絞る必要が生じるかもしれない。なお、数量化の基本項目は、境内建物(坪数:所有・借用)、境内地(坪数:所有・借用)を中心とする。 具体的な調査事例として、地上27階地下2階のパークタワー西新宿エムズポートを建設した西新宿の成子天神社、もしくは、定期借地権方式で境内に賃貸マンションを建設した新宿区・赤城神社、港区虎ノ門・琴平神社(虎ノ門琴平タワー)、京都市・梨木神社(イーグル コート京都御所梨木の杜)など10の宗教法人と、再開発の激しい東京都中央区エリアに限定して、そこに位置する法人の土地利用、空間構造の変容を調査研究する。
|
Causes of Carryover |
調査対象資料の取り扱いが難しく、作業に時間を要したために、差額が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度は作業従事者を増やすことで対応したい。
|