2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K02061
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
魯 恩碩 国際基督教大学, 教養学部, 上級准教授 (70527142)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 申命記的歴史書 / 歴史性 / 編集史 / 形成史 / 伝承史 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究史の整理を行いながら申命記主義的歴史書の形成史と編集史を理解するための新しいモデルを探る研究を行った。申命記主義的歴史書の歴史性に関する出版の準備を進めた。昨年行った研究成果の一部を国際基督教大学で開催された「歴史と歴史性(History and Historicity)」というシンポジウムで発表した。今年3月18日に上智大学で行われた日本基督教学会関東支部会でも研究成果の一部を論文発表という形で発信した。また今年7月に韓国で行われるSBL International Meetingでも論文発表が決まっており、9月に南アフリカのステレンボッシュ(Stellenbosch)で行われるIOSOT2016という権威ある旧約聖書学の学会でも論文発表をするように招待されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究史の整理と理論構築を行っておりそれが順調に進んでいる。研究代表者が所属する国際基督教大学で、宗教研究文献の書誌データベースであるATLA Religionが利用可能であるため、それを最大限に活用している。2015年度夏休みに参加したTel Azekahの発掘作業も研究課題に対する理解を深めるために役立った。これまで学会やシンポジウムなどで築いてきた学者たちと交流、特に申命記主義的歴史書の専門家たちとのネットワークも今研究の目標達成において大きな力となっている。国際基督教大学における研究戦略支援センターの職員の方々の誠実な手伝いや助力も順調に研究が進む重要な要因となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究成果を集め2冊の単著という形で出版する予定で現在準備を進めている。一冊は日本語で、もう一冊は英語の書物である。申命記主義的歴史書における世界的な研究者たちと共著で一冊の本を出版することも計画している。Israel Finkelstein博士、Thomas Roemer博士、Konrad Schmid博士などからすでに協力の約束をいただいており、最新の研究動向を分析しながら、出版の準備を進める予定である。必要に応じて、イスラエルから研究に役に立つデータなどを送信してもらいながら更なる研究を続ける。2冊の単著や1冊の共著の出版を経て、さらに深められた研究成果を最終年度末、あるいはその次の年度の始まりに発信することを計画している。世界旧約学界に学問的に貢献出来るいくつかの英文の論文を執筆し、屈指の学術誌を通して発信することによって本研究プロジェクトの総まとめとしたい。
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Causes of Carryover |
昨年のイスラエルの探査旅費が航空券が予想以上に高くなったこともあり当初予定より高額になった。そのため前倒し申請を行い、主な経費は精算することができた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2015年度中に残額が不足したため精算できなかった書籍代または旅費に充当する予定である。
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