2017 Fiscal Year Research-status Report
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15K02061
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
魯 恩碩 国際基督教大学, 教養学部, 上級准教授 (70527142)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 申命記的歴史書 / 歴史性 / 編集史 / 形成史 / 伝承史 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究成果の一部を整理し、英語で1冊の単著を出版した。「Poverty, Law, and Divine Justice in Persian and Hellenistic Judah」(2018、SBL Press)。この本は、ペルシア・ヘレニズム時代のパレスチナにおけるユダヤ共同体の社会経済構造、社会的不平等、神学的発展との密接な相互関係を論及したものであり、国家、社会、経済、宗教、法などの諸領域を横断しつつ、その絡まり合いの中での旧約文書の形成と諸集団の共生を論じたものである。申命記主義的文学を含む旧約文書生成期の全体的な展望を開こうとするGrand Theoryの思い切った提示として世界聖書学界に与えるインパクトが期待される。聖書学において国際的に最も著名で影響力があるSBL PressのAncient Israel and Its Literature Seriesを通して出版されたことは、本著の学術的成果が世界的に認められたことを意味する。 2017年8月にドイツのベルリンで行われたSBL International Meetingで研究成果の一部を整理し論文発表を行った。2017年11月にアメリカのボストンで開催されたSBL Annual Meetingでも論文発表を行った。また今年8月にフィンランドのヘルシンキで開催されるSBL International Meetingでも論文発表をするように招待されており、11月にアメリカのデンバーで開催されるSBL Annual Meetingでも論文発表が決まっている。 尚、申命記主義的文学の世界的な専門家たちと共に一冊の書物を共著で出版するために準備を進めており、原稿はほとんど完成段階に入っている。複数の出版社がこの原稿の出版に関心を示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最新研究動向の分析が順調に進んでおり、理論構築のための研究も引き続き同時に行っている。今後は、これを土台としてさらなる研究を進めていきたい。尚、文献学や考古学をはじめとする関連分野の研究者たちとの協力と意見交換を活発に行っている。今年度は、研究成果の一部を二つの国際学会(SBL)を通して発信する予定であり、共著の出版準備も進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究成果の一部を整理し、二つの国際学会(SBL)で研究発表を行う。その後、申命記主義的文学の世界的な研究者たちと共に、申命記主義的文学の歴史性を論じる一冊の書物を出版する。今後も引き続き方法論的に文献学や人類学、社会学、考古学の側面を照らし合わせその関連性に注目する方向で研究を進めていく予定である。
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Research Products
(6 results)