2015 Fiscal Year Research-status Report
ロシアにおける教育コミュニティの形成と宗教―宗教文化教育をとりまく環境
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15K02062
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Research Institution | Seisen University. |
Principal Investigator |
井上 まどか 清泉女子大学, 文学部, 講師 (70468619)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 宗教学 / 宗教文化教育 / 教育 / ロシア / 伝統宗教 / 新宗教 / NPO |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、当初の研究実施計画のうち、1つめの課題を遂行した。つまり、ロシアで非営利団体(NPO)として登録された団体のうち、宗教団体の信徒が関与していると考えられる教育活動についてのリストアップである。リストアップの結果、多くの団体が正教会に関連する団体となった。また、これまで収集した宗教文化教育をめぐる文献資料の読解・整理を行なった。これらは、次年度以降の現地調査での下準備となるものである。これらの準備作業は、ロシアの諸伝統宗教のうち、おもにキリスト教(ロシア正教会)についての考察となったが、ロシア都市部における仏教諸団体の教育活動についても、文献資料・Web上の資料を中心に調査を行なった。これについては、(1) ロシアの諸都市のうち、とりわけモスクワの状況に着目し、モスクワで仏教寺院が新たに建立されるのに伴い、どのような仏教文化教育の構想が練られているかを調査した。(2) ロシアでの仏教系新宗教(オウム真理教)の2000年代の活動について、分析を行なった。他方、2つの国際学会での研究報告は、パネルでの個人報告を登録していたにも関わらず、体調不良・安静のため、キャンセルとなった。体調不良は、妊娠・出産に伴うものであり、次年度以降の研究計画には影響しない。次年度については、育児休暇の後、研究計画の実施と研究成果の公開を進めるとともに、本年度に逸した研究報告の機会を探し、研究計画に新たに追加する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
妊娠の経過が思わしくなく、やや長期にわたる安静を強いられたため、2つの国際学会での研究報告のキャンセルを行なった。そのため、研究成果を公開する機会を逸することとなったが、次年度以降、代替の公開方法を模索する。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、出産にともない研究を一時中断を申請したが、一時中断の後は、研究計画を順次進める予定でいる。当初の研究計画では、平成28年度の実地調査はモスクワ、カザン、サンクト・ペテルブルグを予定していたが、平成28年度にはモスクワの一都市(あるいはモスクワ、サンクト・ペテルブルグの二都市)での実地調査を予定している。調査予定地については、これらの実地調査の後に、再検討する予定である。また、実地調査の下準備となる文献・映像・Web上の情報の調査の結果は、論文あるいは口頭発表などで公開していく予定である。
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Causes of Carryover |
今年度は、妊娠・出産の経過が思わしくなく、やや長期にわたる休養・安静を強いられた。そのため、予定していた国際学会での研究報告をキャンセルし、旅費等の出費がなくなり、また、資料収集も停滞したため、文献資料(物品費)の出費もなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
出産にともなう研究の一時中断の後、ロシアの一都市あるいは二都市での実地調査を予定している。その下準備のための資料代、および旅費・調査費の出費を予定している。
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