2018 Fiscal Year Research-status Report
ロシアにおける教育コミュニティの形成と宗教―宗教文化教育をとりまく環境
Project/Area Number |
15K02062
|
Research Institution | Seisen University. |
Principal Investigator |
井上 まどか 清泉女子大学, 文学部, 准教授 (70468619)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 宗教文化教育 / ソ連解体後 / ロシア / ロシア極東 / NPO / アソシエーション / 市民運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、当初の研究実施計画にある①文献・映像資料の言説内容の分析、②現地での調査(資料・聞き取り)の双方に取り組んだ。①については、邦文と英文で分析結果をまとめ、公刊した。また②については、モスクワ、ウラジオストク、ウスリースクの3都市で聞き取り調査を行った。ウスリースクでの調査は当初の研究実施計画には入っていなかったが、調査を進める中で当地での調査の重要性を鑑み、実施することにしたものである。 現地で調査対象とする宗教団体については、前年度までの調査を踏まえ、正教会に加えて、アルメニア使徒教会、カトリック教会、ルーテル派教会、ユダヤ教の諸施設を対象として選定した。実際の現地調査は2月と3月に行った。現地では資料収集を行なうとともに、聖職者および一般信徒へのインタビューを行い、調査後、分析・考察に着手している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文献・映像資料の分析を通して立てた仮説が、現地調査の実施によって、さらに多角的な視点からの再構築を迫られたという経験を得たが、それは研究の進展という点で重要であったと考える。 また、2015年度には妊娠中の体調不良により、国際学会での研究成果発表のキャンセルを余儀なくされたが、今年度は(成果の一部ではあるものの)邦文と英文での研究結果公開を行うことができ、また西ヨーロッパ地域の研究者や、教育分野の研究者との交流も進みつつあることは、研究の推進力となっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
短期的課題としては、第一に、当初の研究実施計画にある調査地のうち、残る二都市での調査を進めること、第二に、年度末に行った現地調査の分析・考察結果を論文および国内外の学術大会で早期に公開することが挙げられる。長期的課題としては、本研究課題の仮説の再構築をもとに、最終報告書の構成・執筆が挙げられる。
|
Causes of Carryover |
購入を予定していた外国語文献・映像資料の到着が遅れたため、次年度に購入を予定している。
|
Research Products
(3 results)
-
-
[Book] 上智大学ヨーロッパ研究所叢書12 ヨーロッパの世俗と宗教2019
Author(s)
伊達聖伸、ジャン・ボベロ、フィリップ・ポルティエ、ディーノ・アバゾヴィチ、フランク・リースナー/木村護郎クリストフ、Kiyonobu DATE, Grace DAVIE, Madoka INOUE,Ryosuke OKAMOTO, 加藤久子
Total Pages
128
Publisher
上智大学ヨーロッパ研究所叢書
-