2015 Fiscal Year Research-status Report
古代末期における富と貧困に関わる「徳」理論の成立と変容
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15K02081
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| Research Institution | Okayama University |
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Principal Investigator |
出村 和彦 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (30237028)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | アウグスティヌス / 貧困 / 富 / 徳 / 徳倫理学 / 古代末期 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
原典テクストの読解を進めながら、日本西洋古典学会、日本倫理学会等で、古代末期思想や徳倫理学に関する最新の情報を収集するとともに、
１．オックスフォード大学での第17回国際教父学研究集会にてAugustine and Seneca on Virtue and Moral Motivation concerning Poverty and Senescenceを発表し、セネカとアウグスティヌスの比較をして、富と貧困をめぐる両者の人間観・徳論を比較した。
２．研究成果を反映した著書(共著）G.D.Dunn & W.Mayer (eds.), Christians Shaping Identity from the Roman Empire to Byzantium: Studies Inspired by Pauline Allenの13章として、Shaping the Poor: The Philosophical Anthropology of Augustine in the context of the Era of Crisis (Brill, Leiden/New York)を刊行しアウグスティヌスの貧困への取り組みをより広いコンテクストで考察した。
３．教父研究会例会にて上記の成果を発展させて、ミラノ・カッシキアクム(イタリア)、ヴュルツブルク・トリーア(ドイツ)での資料収集を反映させた発表「アウグスティヌスにおける「貧困」「病」そして「老齢」」を行った。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題についての基礎資料図書の選定購入、研究課題の関連する学会等での情報収集、さらに、イタリアドイツでの関連資料の収集を遂行でき、これらに基づいて、８月国際教父学研究集会（オックスフォード）と１２月教父研究会例会(東京大学）での研究発表を行うことが出来た。また共著（担当部分は単著）を刊行した。以上の成果を上げた点で順調に進捗した。ただし、まだ未購入の書籍等があり、またイタリアでの新たな資料を調査する必要がでてきたことやシンポジウム企画が未定である点において次年度の課題としていることにより「おおむね」順調とした。
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| Strategy for Future Research Activity |
アジア環太平洋初期キリスト教学会（APECSS)の国際研究集会(サンクトペテルブルク）等で課題に関する研究発表と関連情報収集を積極的に努める。また、イタリア現地資料の収集に精力的に取り組んで、研究を刷新する。その成果を分かち合い、国内および国際的な共同研究の芽を育てるシンポジウムの企画を具体化して、研究をより豊かなものしていく予定である。
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| Causes of Carryover |
さらなる必要図書選定購入の決定が遅れたこととシンポジウムの準備や手元資料の整理等を次年度に回したため。また、イタリアでの追加資料収集を次年度に計画しているため
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度分に加えてさらなる必要図書選定購入し、シンポジウムの準備や手元資料の整理等の人件費を弾力的に使用する。日本西洋古典学会、教父研究会等国内学会で情報収集に努めるとともに、また、9月サンクトペテルブルク学会発表に加え、８月にイタリアでの追加資料収集を計画している。
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[Book] Christians Shaping Identity from the Roman Empire to Byzantium: Studies Inspired by Pauline Allen2015
Author(s)
W.Mayer, G.D.Dunn (eds.), Kazuhiko Demura, B. Neil, K.E.Borresen, T.Bruyn, A.Cameron, E.A.Clark, B. Croke, D.Simm, M.Lattke, A.Louth, S.Tsuchihashi, P.Rousseau, J.P.Kritzinger, M.Demura, N.Kamimura, T.N.Youssef, M.Sheather, R.Scott, M.Slusser, T.Hainthalter
Total Pages
520 (248-265)
Publisher
Brill, Leiden/New York
