2016 Fiscal Year Research-status Report
タブラチュア譜の記譜法が楽器演奏における認知過程に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
15K02125
|
Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
小堀 聡 龍谷大学, 理工学部, 教授 (60195831)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 記譜法 / タブラチュア / 被験者実験 / 音楽演奏 / アイカメラ / 視線データ / 認知的負荷 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,被験者実験を実施し,演奏データと視線データを評価,分析すると同時に,瞳孔径などを生理指標として認知的負荷を測定することで,五線譜とタブラチュア譜の記譜法の違いが,演奏時の認知的負荷や処理資源の配分に与える影響を考察し,演奏における認知過程を明らかにすることを目的としている. そして,本研究は,被験者実験のための実験システムを構築,実験課題・条件を立案し,実際に実験を遂行し,そのデータを解析し,結果を考察するという流れで実施してきている. 1年目においては,被験者実験のための実験システムを構築,実験課題・条件を立案し,実験を開始したが,2年目の平成28年度においては,予備実験の結果を踏まえて,実験課題など,実験計画について再検討してたうえで,本実験を開始している. 具体的には,まず,タブラチュアを使用するギター奏者やリュート奏者らへの聞き取り調査を行うなどして助言を得て,実験課題など実験計画を確定させたうえで,ギターを対象とし,五線譜とタブラチュア譜について,記憶実験を実施している. 次に,そうした結果を踏まえて,研究会において研究報告を行った.この際の質疑応答およびその後の意見交換において,実験結果とタブラチュアを使用する奏者の一般的な所見とがどの程度一致するのかを確認することが重要であることが分かった. その他,いくつかの関連する学会に参加するとともに,数多くの文献・資料を参照することで,研究に必要な知見を幅広く学び取る努力をした.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ギターを演奏する被験者を確保することには難しさもあり,記憶実験を継続しているところであるが,このことは当初から想定されていたことなので,研究を遂行するうえでの大きな支障とはなっていない.また,データ解析を行うシステムの開発にも予定外に時間がかかったが,研究の進捗状況としては問題はない.
|
Strategy for Future Research Activity |
現在遂行している記憶実験に引き続き,視奏実験などの被験者実験を行い,演奏データと視線データを評価,分析すると同時に,瞳孔径を測定することで,演奏における認知的負荷について検討し,考察結果を研究成果としてまとめる予定である.
|
Causes of Carryover |
申請時に想定していた解析ソフトウェアの価格よりは安価であったため,また,現時点では謝金,アルバイト代を使用していないため,差異が生じた.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後,研究に必要な物品を購入し,また謝金等も支払うことにより,研究費を使用していく予定である.
|
Research Products
(1 results)