2015 Fiscal Year Research-status Report
18世紀ゴブラン製作所のタピスリー研究―ブーシェの下絵に基づく作品を中心に
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15K02135
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| Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
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Principal Investigator |
小林 亜起子 東京藝術大学, 美術学部, 講師 (00618275)
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2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | ゴブラン製作所 / ボーヴェ製作所 / タピスリー / 18世紀 / ポンパドゥール夫人 / ブーシェ / ルイ15世 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、18世紀フランス王立ゴブラン製作所のタピスリーの名声に寄与した画家フランソワ・ブーシェ（1703-1770年）のタピスリー下絵制作活動とその意義を解明するものである。本年度は、ブーシェがゴブラン製作所のために手がけたタピスリーに関する基本的な作品情報をカタログ形式でまとめる作業を進めるとともに、タピスリーのための準備素描や下絵に関するデータ、関連資料を収集した。また、ブーシェがゴブラン製作所のために最初に手がけた一対のタピスリー《日の出》と《日の入り》（1754-1755年に織り上がる）について関する調査を実施した。本作は、ブーシェの重要なパトロンであるルイ15世の寵姫ポンパドゥール夫人の個人的注文を受けて制作されたものであった。そのため1750年代の夫人のパトロネージの状況についても一定程度の調査・研究を行った。これらの一連の成果の一部は口頭発表のかたちで提示された。ポンパドゥール夫人がブーシェに《日の出》と《日の入り》の仕事を依頼する上で重要な評価ポイントとなったこの画家のボーヴェ製作所における下絵制作については、以前から研究を進めてきた。本年は、その成果をまとめるにあたって、同時代のゴブラン製作所の画家とボーヴェ製作所の下絵画家ブーシェとの間の競合関係に注目した論文を発表した。そこではブーシェ以外の画家の手になる18世紀ゴブラン製作所のタピスリー（シャルル＝アントワーヌ・コワペルやジャン＝フランソワ・ド・トロワ）の特質についても論じることができた。なお、ボーヴェ製作所のためのブーシェのタピスリー制作活動についての研究成果は書籍として刊行された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、とくにゴブラン製作所のためのブーシェの連作についての基本的情報をまとめることが重要な課題であったが、それらのための基礎的調査はおおむね順調に遂行することができた。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後は、ブーシェ以外の画家による下絵にもとづいて18世紀のゴブラン製作所で織られた主要なタピスリーについての調査も実施する。また本年度には、ブーシェのゴブラン製作所での活動に関連して、前年度に資料を収集したポンパドゥール夫人とその弟マリニー侯爵のパトロネージに関する考察も行う予定である。
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Research Products
(3 results)
