2016 Fiscal Year Research-status Report
スマトラ・マレー半島におけるシュリーヴィジャヤの美術史学的調査研究
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15K02141
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
伊藤 奈保子 広島大学, 文学研究科, 准教授 (20452625)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | スマトラ / シュリーヴィジャヤ / ジャワ / パダン |
Outline of Annual Research Achievements |
当概年度は、平成28年8月に行ったヨーロッパ、及び平成29年3月のインド調査(イギリスの大英博物館、大英図書館、アシュモレアン博物館、Victoria&Albert博物館、フランスのギメ美術館、ドイツのリンデン博物館、オランダのアムステルダム国立美術館、ライデン国立民族学博物館、トロッペン博物館、デリー国立博物館、コルカタ国立博物館、ナーランダー博物館、パトナ博物館、ブッダガヤ博物館、アジャンター石窟、ピタルコーラー石窟、エローラ石窟、オーランガーバード石窟、カーヘンリー石窟、バージャー・カーラー石窟、エレファンタ島等)で収集した資料から、スマトラ、マレー半島におけるシュリーヴィジャヤに関連する美術史学的資料を分類し、詳細な分析を行うことに研究の比重をおいた。 また平成28年9月には、スマトラ島とジャワ島の博物館、遺跡調査を行った。特にスマトラ島西部のパダンのAdityawarman博物館所蔵の鋳造仏、またジャカルタ国立博物館所蔵の尊像(石造バイラヴァ立像)の出土地(Candi Padang Roco)等、スマトラにおける遺跡や尊像などの地理的な確認に重点をおいた。 加えて、ジャカルタ国立中央博物館所蔵の石造、鋳造の尊像をはじめ、中部ジャワ地域のボロブドゥール、ムンドゥット、ロロ・ジョングラン、カラサン、プラオサン等の遺跡において資料収集を行い、それらの成果の一部、特に密教に関する研究として、日本密教の研究所である真言宗豊山派の教学大会にて発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年は、本研究課題に関して、平成28年8月ヨーロッパ、平成29年3月インドに調査した内容に関して、分類、分析することに比重を置いたことで、研究にあらたな進展をもたらしたものと思われる。また平成24年2月の調査結果も加えた研究成果の一部を、「豊山教学大会紀要」第45号、豊山教学振興会(平成29年6月)に掲載予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年には、前年度計画を立てながら調査を行えなかったタイ、マレーシアに焦点を当てたい。特にタイは、バンコク国立博物館、スラー・タニー地域のワット・ボロム・タート遺跡、ワット・ケーオ遺跡、ワット・ロン遺跡、ウィアンサ遺跡等の調査を考えている。あわせて、今までの調査結果に基づくシュリーヴィジャヤに関する論文を著してゆく。
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Causes of Carryover |
平成29年3月にタイの調査を行う予定で計画を立て、次年度から500,000円を前倒支払を請求した。しかし、報告者の体調不良(診断書有り)により実行ができなくなった。それゆえ、繰越しをすることとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上述のように、タイの調査は必須であり、研究計画通りに平成29年9月に、調査を実行する予定である。体調が整えば、さらに範囲を広げて調査を行いたいと考える。
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Research Products
(1 results)