2016 Fiscal Year Research-status Report
地域活性化再構築につながる地域固有の文化活動の効果とその具体的展開に関する研究
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15K02163
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
枝川 明敬 東京藝術大学, 大学院国際芸術創造研究科, 教授 (60272283)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 文化資源 / 精神文化 / 地域固有 / 民俗資源 |
Outline of Annual Research Achievements |
27年度の既往資料等を用いて,全国各地域の文化資源(活動)及び職業等社会構造,経済状況の収集・整理に引き続き,地域の精神文化の具体的な展開方策の検討調査を行った.具体的には,歴史・文化・民俗資源の整理と地域固有の精神文化の発掘並びに経済活動の状況の分析であり,それぞれのモデル地域で受け継がれてきた文化資源(活動)を抽出し,整理や発掘した文化資源(活動)を通じて,地域固有の精神文化を発掘した.そして,職種・経済活動状況について,上記の精神文化に基づく文化活動との関連整理を行った.作業方針として,①モデル地域の抽出地域の精神文化をもとにした文化活動の具体的な展開を検討する地域として,全国7地域を対象としたこと,②地域の歴史・文化・民俗資源の整理抽出した地域ごとに,現地調査やヒヤリング,既往資料等により,文化資源(活動)及び職種・経済活動指標を整理したこと,③地域の精神文化の発掘と経済活動との関連検討 発掘した歴史・文化・民俗資源を通じて,その地域に根付く精神文化を発掘したことである.さらに,その精神文化と地域の経済活動(発展の過程や進捗状況)との連関を検討した. さらに29年度の研究に向け,他の科研メンバー等からの適切な助言を得て,京都大学,名古屋大学,勤務校(東京芸大)での研究会での発表や日本地域学会年次大会(新潟大学)で成果を発表した.29年度以降の研究予定の地域の精神文化による地域づくりへの取組みに関するヒヤリング調査に対する予備的な検討を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
28年度は,27年度の既往の文献や資料等による予備調査が順調に行われたので,それを受けて,具体的地域調査が行えた.特に夏期休業中は,地域においても,歴史的・文化的行事が多く,その調査を行うことが時間的,時宜的にかなったためである.なお,成果を発表する学会,研究会等も十分時間的に余裕をもって参加でき,中間的な調査成果を含める発表も順調であった.また,他の科研による研究成果も当研究に反映することができ,内容が充実する結果となった.
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Strategy for Future Research Activity |
27,28年度に引き続き,29年度は,地域の精神文化による地域づくりへの取組みに関するヒヤリング調査を行う.具体的には,地域づくりの主体となる組織や情報の発信主体となる組織等を抽出し,これまでの取組み実態や地域の精神文化を活用した地域づくりのあり方,地域住民への発信方法,経済発展・地域開発などへ関するヒヤリング調査を実施する.さらに,地域の精神文化を活かした地域づくり,地域の経済成長の具体的展開方法の検討を行いたい.つまり,地域の精神文化を地域づくり,経済発展へ活かすための具体的な展開方策や地域の精神文化を活用した地域文化活動の重要性におき,地域の経済的な発展に結びつく精神文化による地域文化活動の必要性を探ることである.そして,具体的な地域づくりのあり方を検討する.具体的には,地域づくり,まちづくりの参画主体となりうる活動団体に対して,地域の精神文化による地域づくり,まちづくりの重要性を周知する.また,現在,郡山,都城など実際に申請が行っている「地域塾」を活用・あるいはあらたに創成し,公・地・産連携の地域活性化・再構築の討議を行う.住民・公共これら活動団体が地域の精神文化を活かした地域づくり・まちづくりを進めていくための具体的な展開方策(活動指針)について検討を行うほか,地域の精神文化を活かした今後の更なる地域の経済発展・展開方策等について検討を行う.
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Causes of Carryover |
2016年度は,研究計画のほぼ予定通り進捗したが,現地調査やヒヤリング,既往資料等により,文化資源(活動)及び職種・経済活動指標を整理する過程において,予想外に現地調査がすすみ,そのため旅費の節約と予定していた学生アルバイト等の謝金が不要となったためである.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年次となる2017年度は,地域の精神文化による地域づくりへの取組みに関するヒヤリング調査のヒヤリングが予定されているが,その調査を精細に行うことにより,2016年度の使用残額を効果的に使用したい.
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