2017 Fiscal Year Annual Research Report
Melancholy in "Post-human" era
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15K02192
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
丸川 誠司 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (70339612)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 傷 / 覆う / 表象不可能性 / 黒の理想 / ポストモダン / 喪 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究対象となった主な芸術家はJ. Beuys, A. Rainerで、当該研究の枠内でようやく二十世紀の芸術家を扱った。この内最初のBeuysについては、「ポスト・ヒューマンのメランコリー(4):ボイスとライナーの傷(正)」という論文を紀要の学術研究第66号に発表している。ライナーについては次年度掲載予定である。どちらもドイツ語圏の現代芸術作家が、それぞれアウシュヴィッツ、ヒロシマ(原爆の写真)を自らのトラウマとして抱え込み、それを作品として表現する(不)可能性に取り組んだかを扱っている。この種の作品において想起されるいわゆるアドルノの「黒の理想」だが、その黒はメランコリーの胆汁の色あるいは日の光が忘れる犯罪の場である(バディウ)。 調査を行ったドイツではO.ディクスの回顧展を始め、1920-30年代の芸術の展覧会が多く、現代ドイツにおける歴史意識が確認できた。この他はドガの(女性像などによく表れる)メランコリー、イタリアのノヴェチェント・グループのM. シローニのメランコリーなどをも対象に調査を進めた。調査、資料収集を行った場所はドイツ(Gemaldegalerie-Berlin [Kunstbibliothek, Friedlander Studien Saal], Staatsgallerie-Stuttgart, Pinakothek der Moderne-Munchen, Lenbachhaus-Munchen, Hamburer-Kunsthalle)、イタリア(Musel del Novecento, Fondazione Boschi de Stefano, Accademia Carrara)、フランス(Musee d'Orsay, Le Petit Palais)アメリカ(The Art Institute of Chicago)等。
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Research Products
(1 results)