2018 Fiscal Year Annual Research Report
A basic study of o poetry theories in Edo Era
Project/Area Number |
15K02235
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
小野 泰央 中央大学, 文学部, 教授 (90280354)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 祇園南海 / 影写 / 鏡花水月 / 近世詩論 |
Outline of Annual Research Achievements |
祇園南海(延宝四年<一六七六>~宝暦元年<一七五一>)が『明詩俚評』(享保六年<一七二一序文)『詩学逢原』(宝暦十三年<一七六三>刊)『南海詩訣』(天明七年<一七八七>刊)において「影写」は顕著であるし、それは日本詩論史上特異でもある。ただ南海詩論においてその「影写」的理論は「影写」という語だけに表出されているわけではない。 南海詩論における「影写」的な説は、まず題意を直接言わないことである。さらにその題意を言外に表すということで、その言外に表す題意は、景物だけでなく、作者の意趣も含まれる。その二重構造が、一句中に虚字で結び付けられて直喩表現になったり、実字によって縁語仕立てで構成されたりすると、それは「アイシライ」になる。 「影写」説を含めて南海詩論には、典拠を見出すことも事実である。「鏡花水月」「斡旋」という語や理論は中国の詩論に見られるものであり、「アシライ」は室町連歌論に見られる語である。祇園南海の詩文論において、自身の「影写」説を「古人」の言とするだけで、その原拠を明示してはいない。ただ「鏡花水月」に関しては、『唐詩訓解』がその直接の原拠であると考えられる。
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