2018 Fiscal Year Research-status Report
太宰治直筆資料のデジタル化、オンライン公開に関する基盤整備の研究
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15K02240
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安藤 宏 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (30193113)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 太宰治 / 日本近代文学 / 自筆資料 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は次の事業に関わった。・三鷹市スポーツと文化財団主催「太宰治三鷹とともに 没後70年展」の編集企画協力(企画の段階で各文学館との協力、資料情報の交換の助言を行った)/・三鷹市ゆかりの文学者顕彰事業 助言者会議への出席(故・山内祥史氏のご遺族と三鷹市との仲介をし、太宰治資料の「山内祥史文庫」の設立に協力した)/・三鷹市スポーツと文化財団主催「太宰治生誕110年記念展」の企画準備(資料の展示企画について、助言を継続中)/・日本近代文学館特別展「太宰治 創作の舞台裏」の企画、立案及び、図録の編集作業(開催は平成31年4月~6月、展示資料の選定、及び、収集した資料の出品協力を行った) 上記の作業の過程で、本プロジェクトを通して得た様々な情報(資料の所在の確認など)、人的ネットワークを活用し、結果的に太宰治の基礎資料の整備、社会的顕彰事業に貢献することができたものと考える。特に三鷹市の「山内祥史文庫」の設立に関しては、資料の選定、搬送、保管、整理に関して、大きな役割を果たすことができた。また、日本近代文学館が太宰治の「お伽草紙」の完全原稿を入手したことに伴い、報道機関への公開、解説を担当し、合わせてその意義について研究、分析を行うことができた。 4年間の活動を通し、ともすれば散逸しがちな貴重な自筆資料についてその所在を確認し、文学館等の公共機関に於いて、資料のデジタル化がすすむよう、さまざまなレベルで協議を行うことができたものと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
成果を十分に挙げることができたが、太宰治展の編集、講演、「太宰治文庫」設立に作業については、関係機関から交通費、謝礼が支給されたことにより、それをもって一部の研究費用を補うことができた。そのため当初の予算に若干の余裕が生じ、補助事業期間を延長する結果となった。資料の収集、調査は終わりのない活動なので、令和元年度に於いても有効に活用することができるが、若干の計画変更が出たことが反省される。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、山梨県立文学館、弘前市立文学館、日本近代文学館の太宰治顕彰事業への協力を行う。また、自筆資料のデジタル化、関係機関のネットワークづくりを継続していきたい。
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Causes of Carryover |
太宰治展の編集協力、「太宰治文庫」設立作業に関しては関係機関から若干の交通費、謝礼が出たので、それを資料、情報収集に活用したため、ほぼその差額が残額として残った。資料、情報収集、関係機関との協議に関しては1920年度も継続していく性格の物なので、残額をこれに充て、所期の目的を補完したい。
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