2016 Fiscal Year Research-status Report
昭和10年代における文学の〈世界化〉をめぐる総合的研究
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15K02243
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
松本 和也 神奈川大学, 外国語学部, 准教授 (50467198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 将洋 西南学院大学, 国際文化学部, 教授 (70454923)
山本 亮介 東洋大学, 文学部, 教授 (00339649)
若松 伸哉 愛知県立大学, 日本文化学部, 准教授 (40583802)
五味渕 典嗣 大妻女子大学, 文学部, 准教授 (10433707)
平 浩一 国士舘大学, 文学部, 准教授 (00583543)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 日中戦争 / 文学場 / 対外戦略 / 翻訳 / ヒューマニズム / 谷崎潤一郎 / 山本有三 / 岡本かの子 |
Outline of Annual Research Achievements |
「昭和10年代における文学の〈世界化〉をめぐる総合的研究」と題した本研究課題では、周辺諸国との国際関係や文学に隣接する文化諸領域との関連性の中から、昭和10年代の日本における/日本語による文学(者)の諸活動を歴史的に検討することを目的としている。 2年目に当たる平成28年度は、研究計画に即して、メディア・マッピングをベースとしながら、文化工作・対外戦略(プロパガンダ)、および、文学場の系譜学について、共同で調査・討議を進めながら、研究成果のアウトプットも進めた。特に、前年度の研究会の成果をふまえて、谷崎潤一郎の国際性や、日中戦争前後のヒューマニズムの動向、あるいは岡本かの子や山本有三といった作家を軸とした戦時下の言説、といったテーマについて各メンバーが論文化して発表した。あわせて、人民戦線とヒューマニズムの関係や、日中開戦後のプロパガンダについて、各メンバーが学会等で報告を行った。 2016年9月には、科研費・基盤研究(C)「両大戦間期フランスにおけるジャポニザンの活動」(研究代表者:澁谷豊)との共催による研究会「戦時下におけるメディアと対外戦略」を開催し、文化工作・対外戦略ユニットのメンバーが報告し、〈世界化〉の諸相について、具体的な素材をもとに議論を交わした。 2017年3月に開催した研究会では、文学場の系譜学ユニットのメンバーによる報告に基づいて、昭和15年から戦後までを射程に入れた、文学言説の動向や文学者の言動について、共同討議を行った。併せて、次年度の研究計・調査計画についても、検討・調整を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究テーマのコンセプトを共有しながらも、それぞれのユニットに即した活動を個々に進め、その成果の一端を、2度の研究会(1度は、隣接テーマの科研費研究との共催)での報告・質疑・意見交換を通じて、昭和10年代における文学場〈世界化〉の様相について、具体的な検討を進めることができた。また、研究会での活動をベースとして、論文や学会発表を通じて、研究成果の一端を公表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで、メンバーによる研究会・意見交換・成果発表を通じて練り上げてきたコンセプト、および、蓄積してきた議論を活かしながら、引き続き、調査や研究会を継続しながら、戦後までを射程に入れたかたちで検討を重ね、研究成果をまとめていく予定である。
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Causes of Carryover |
新たな関連資料の発掘や調査計画の不調により、若干変更した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年年度請求額とあわせて、調査のための出張及び資料の複写等に使用する。
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Research Products
(14 results)