2017 Fiscal Year Annual Research Report
TheStudy of "Okumura Masanobu" and build a portal site
Project/Area Number |
15K02261
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Research Institution | Seisen University. |
Principal Investigator |
武藤 純子 清泉女子大学, 文学部, 非常勤講師 (50424304)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 浮世絵 / 役者絵 / 奥村政信 / 奥村派 / 鳥居派 / データベース / ポータルサイト |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、浮世絵師奥村政信を総合的に研究し、ポータルサイトを構築することである。研究実施計画に従い、国内外の図録等から該当する図版の選定・考証を行った。夏期休暇中にはチェコ共和国にあるプラハ国立美術館、春期休暇中には長野県松本市にある日本浮世絵博物館に浮世絵の調査に出かけた。プラハ国立美術館では、無落款ながら奥村政信と思しき初見の横大判墨摺絵や、これまで版元印が欠けていて不明であった鳥居派の役者絵を見つけることができた。日本浮世絵博物館では絵入狂言本と類似する初期浮世絵を確認することができた。これらの調査研究の成果は論文等に発表することができた。一つは、『歌舞伎 研究と批評』59号(歌舞伎学会、2017.11)に発表した「鳥居派・奥村派の役者絵―元禄歌舞伎研究の一助として―」である。奥村派の役者絵が元禄歌舞伎を映す資料として有効であること、その役者絵を資料として利用できるデータベースが必要であることを述べたまた、『國華』第1465号(朝日新聞社・2017年)に、千葉県那古寺に奉納されている絵馬「草摺曳図」について図版解説を執筆した。ほかには『浮世草子大事典』「(笠間書院・2017年)に「奥村政信とその門流」を執筆した。本研究で得た奥村政信の最新の情報を織り込むことができた。本事典にはほぼ同時代の絵師である「蒔絵師源三郎」「吉田半兵衛」「菱川師宣とその門流」「西川祐信とその門流」鳥居清信とその門流」「川島信清」「大森善清」についても執筆した。これらの絵師を研究することによって、今後は同時代の絵師を取り込むことの必要性を感じた。本年度までに、奥村政信の総合的研究とポータルサイトは大方の形を成してきたと思う。今後は奥村政信だけでなく、初期浮世絵絵師全体を総括した研究とポータルサイト構築を目指していきたい。
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Research Products
(3 results)
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[Book] 浮世草子大事典2017
Author(s)
浮子草子大事典編集委員会
Total Pages
1010
Publisher
笠間書院
ISBN
978-4-305-70847-2