2016 Fiscal Year Research-status Report
初期近代における原子論の受容と科学言説とユートピア言説の変容に関する学際的研究
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15K02291
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
川田 潤 福島大学, 人間発達文化学類, 教授 (70323186)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 原子論 / イギリス文学 / 科学言説 / ユートピア |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は3年計画の中間年にあたる年であった。初年度の基礎的作業を踏まえ、資料を補いつつ、具体的なテクスト分析を初年度の資料収集、理論的な基盤を活かして行った。主に、以下の3点の成果があがった。(1)資料の補充:具体的には、ウォルター・チャールトンによるガッサンディのイギリスでの紹介、ジョン・イーヴリンによるルクレティウスの受容についての英語翻訳の調査、収集を行うとともに、ケンブリッジ・プラトニストであるヘンリー・モアに関する原子論の資料を収集した。イーヴリンのルクレティウスの翻訳については初版本にあたり検討を行った。(2)ヘンリー・モアのテクストにおける原子論:ヘンリー・モアにおいて原子論がどのように受容され、それが彼の世界観・宇宙観にどのような影響を与え、更に、原子論が魂と精神と肉体の関係性にどのような影響を与えたかについて考察を行った。この点からシンポジアムで発表を行い、現在、論文を執筆中である。(3)マーガレット・キャヴェンディッシュのテクストにおける原子論:マーガレット・キャヴェンディッシュが原子論をガッサンディ、ウォルター・チャールトンなどからどのように受容し、それをどのように自分なりに消化したかのテクスト分析を行い、現在、論文執筆中である。 これ以外に、今回の課題の時期からは若干はずれるが、今後の研究の進展のために、18世紀におけるその後の文学における原子論の受容について、トバイアス・スモレットの作品から分析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は当初の計画通り、資料の補充及び具体的なテクスト分析を開始できた。とりわけ、シンポジアムの準備段階および発表までのパネリスト間の議論、それに加え、発表に対するフロアの反応によって、今後の課題などが明らかになった。フランスにおける原子論の状況についての外部からの知識提供が印刷物のみに頼り、人的な情報提供を受けられなかった点が順調に進まなかった点である。
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Strategy for Future Research Activity |
2年間の計画がほぼ予定通りに進んでおり、今後は具体的な成果の発表を口頭、および論文にて行う予定である。
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Causes of Carryover |
情報提供および資料整理に関する諸謝金が執行できなかったため残額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
情報提供および資料整理に関する諸謝金を本年度で執行する予定である。
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