2015 Fiscal Year Research-status Report
男性性の構築と軍国主義精神の発揚―19世紀後半から20世紀初頭のイギリス文学周辺
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15K02306
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
野末 紀之 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 教授 (70198597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 章夫 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 非常勤講師 (10527724)
藤井 佳子 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 非常勤講師 (70379527)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 男性性 / 軍国主義 / 唯美主義 / 第一次世界大戦 / 筋肉的キリスト教 / パブリックスクール / 児童文学 / 墓碑銘 |
Outline of Annual Research Achievements |
隔月に一度、代表者と分担者とで研究の進捗状況を確認しあった。研究会は2015年12月と2016年3月に行なった。野末(代表者)は「Ionicaについて」と「チャールズ・ケインズ=ジャクソンの同性愛擁護とその周辺」、高橋(分担者)は「IWGCと戦没者の追悼」の正続、藤井(同)は「コールリッジの『白い女』」の正続を発表した。質疑応答によりそれぞれの問題点を確認した。野末は2015年10月に学会発表を行なった。また2016年3月オックフォード・ボドレアン図書館にて19世紀末の雑誌"The Artist and Journal of Home Culture"の、おもに上記ジャクソン編集長時代の調査・収集を行ない、ジャーナリズムにおける同性愛文化の表現の事例について研究した。公務多忙につき、論文発表にはいたっていない。高橋は、軍国主義/反戦主義という二元論に則って論じられることの多いフレデリック・マニングの著作を読み直し、彼の思想の根底にあるエピクロス主義を論じる論文を執筆した。またコモンウェルス戦争墓地委員会アーカイヴで、墓碑銘が選ばれる過程でキップリングがどのように関与していたかを調査し、ベルギーを中心として墓碑銘のサンプルを収集した。藤井は国内の複数の研究機関において、Religious Tract Societyが発行した児童書の継続的調査を行ない、聖書と少年の男性性の獲得の関連について研究した。2015年10月に学会発表を行なった。今年度(2年目)には共著の刊行と学会発表が予定されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
代表者は公務多忙のため、19世紀末の同性愛者における男性性の再定義、およびそれと軍人精神との関連についての研究は継続しているものの、同世紀前半の男性性の構築についての本格的研究はこれからである。分担者は資料調査においても成果の発表についても着実に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
他の研究会との合同開催、関連分野の他の研究者を招聘しての研究会開催、所属学会における研究成果の発表(口頭発表および論文化)を順次進めていく。
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Research Products
(3 results)