2017 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of Masculinity and Promotion of Militarist Spirit; English Literature from Later 19th to Early 20th Century
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15K02306
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
野末 紀之 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 教授 (70198597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 章夫 大阪市立大学, 文学研究科, その他 (10527724)
藤井 佳子 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 非常勤講師 (70379527)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 男性性 / 軍国主義 / 唯美主義 / 第一次世界大戦 / 筋肉的キリスト教 / パブリックスクール / 児童文学 / 墓碑銘 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度においても隔月に一度、代表者と分担者とで研究の進捗状況を確認しあった。研究会は2017年9月、12月、2018年3月に開催した。野末は「ペイターの文体にかんする一考察」、「J.A.シモンズの『男性(性)』志向」、「同(承前)」、藤井はいずれも「キプリング Stalky & Co.」、高橋は「帝国戦争墓委員会と遺族」、「Kiplingの"common form"をめぐって」、「第一次世界大戦下のイギリスにおける男性性の諸相」と題して発表を行なった。これらの研究会は前年度に引き続き、科研「後期ヴィクトリア朝イギリスにおけるファッションと消費のダイナミズム」研究会との共同開催であり、結果として双方に刺激となった。野末は研究発表「流動の相のもとに―ペイターの文体にかんする一考察」を行なった。これは、19世紀末から現代にいたるまで唯美主義の文体に投影されつづけている「男性性規範からの逸脱」という非難の所以を問うものであった。野末は2015年度に引き続き、オックスフォード大学ボドレアン図書館にて、おもにJ.A.シモンズやその周辺の男性同性愛作家に関する資料を調査した。2018年度には単著の刊行が予定されている。藤井は、ブライド図書館と大英図書館でタルボット・リードに関する資料調査、ジョン・ライランズ図書館とチータム図書館で19世紀マンチェスターに関する調査を行なった。藤井は業績発表を行なっていないが、2018年度には共著二冊の刊行が予定されている。高橋は論文「帝国戦争墓委員会と第一次世界大戦の墓碑銘」を発表し、帝国戦争墓委員会による反戦的な墓碑銘の採用と却下をめぐる内実を明らかにした。高橋はメイデンヘッド、アテネ、イーペルなどで第一次世界大戦の戦没者や墓地に関する資料の収集および代表的な研究者たちとの意見交換を行なった。代表者および分担者は、調査した資料を整理し、研究成果の中に活かしていく予定である。
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Research Products
(2 results)