2018 Fiscal Year Annual Research Report
Research on the Correlation between Festive Culture and Literature in Early Modern England
Project/Area Number |
15K02326
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
竹村 はるみ 立命館大学, 文学部, 教授 (70299121)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 近代初期英文学 / エリザベス朝 / 祝祭 / エリザベス一世 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度の研究の成果 2018年度は、後述する単著の刊行に向けて、使用した資料に関する最終確認を遂行すると共に、エリザベス朝末期に相当する1590年代に生じていた祝祭文化の変容に関して、法学院出身の詩人サー・ジョン・デイヴィスの作品を同時代の諷刺文学、ことにウィリアム・シェイクスピアやベン・ジョンソンの劇作品との関連において考察する研究に従事した。研究成果の一端に関しては、関西シェイクスピア研究会2月例会(2019年2月17日、武庫川女子大学)で研究発表を行った。
研究期間全体を通じて実施した研究の成果 本研究では、宗教改革後の近代初期イングランドにおいて従来の宗教的祝祭に代わる多種多様な祝祭文化が興隆する過程を歴史的に再構築すると共に、それが同時期の詩及び演劇に与えた影響を考察した。具体的には、エリザベス朝の英文学作品と、同時代にロンドン及び地方で展開した豊かな祝祭文化を年代順に取り上げながら、宮廷祝祭と市民祝祭、宮廷文学と大衆文学、宮廷と市民社会の双方向的かつ互恵的な影響関係を精査した。また、エリザベス朝の軍人文士のネットワーク、法学院生の文芸活動、レスター・サークルやエセックス・サークルといった宮廷貴族を中心として形成された派閥など、祝祭を通して顕在化した様々な文学的共同体の活動を多角的に検証した。最終的には、祝祭と文学が相互に連携しながら発展したエリザベス朝特有の文化システムを明らかにすると共に、祝祭文化が文学の創出に及ぼした影響を文化史の観点から跡づけた。研究の成果は、単著『グロリアーナの祝祭―エリザベス一世の文学的表象』(2018年、研究社)として公表した。
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Research Products
(2 results)