2015 Fiscal Year Research-status Report
環太平洋文学におけるエコ・コスモポリタニズム詩学の生成と発展に関する基礎研究
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15K02336
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
高橋 綾子 長岡技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30435416)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Gary Snyder / Eco-Cosmopolitanismm / Ecopoetics / 道元 / 俳句 / 俳句受容 / Haiku's reception / Haiku's practice |
Outline of Annual Research Achievements |
エコ・コスモポリタニズムの詩学について文献収集を行った。環境文学批評で知られるアイダホ大学教授のスコット・スロヴィッ著書を一次資料として収集し、理論の検証を行った。その後、生成期のスナイダー以外のウェンデル・ベリーのPort William Series, The Collected Poems 1957-1982(1985), New Collected Poems(2012)を一次資料として収集し、ゲーリー・スナイダーとの共通点を見出した。 ゲーリー・スナイダーのエココスモポリタニズム詩学の論考をまとめた『ゲーリー・スナイダー研究』(仮題)の出版を目指すこととなり、出版社は思潮社に決定した。27年度は、スナイダーの長編詩『終わりなき山河』について考察し「終わりなき山河における表象の相関」を執筆し、『シルフェ』55号に掲載された。スナイダーの創作過程を跡付けるため、カリフォルニア大学ディヴィス校のゲーリー・スナイダーコレクションで資料収集を行い、有益な資料を見つけることができた。 2015年11月、中国湖南大学で行われた「環境詩学、絵画詩学およびゲーリー・スナイダー研究に関する国際シンポジウム」において、招待講演者として、"Gary Snyder's Buddhism interpretation: Dogen and Bioreginalism"を発表した。 ドミニカン大学のハレブスキ准教授と「俳句受容とアメリカ現代詩」について共同研究が始まり、共著論文"Haiku's Reception and Practice in Contemporary North American Poetry" を執筆し、『国際文化表現研究』(Expressions)に掲載され、2016年5月刊行される。2016年3月、ドミニカン大学カリフォルニア校において"Haiku and Basho Reception"(俳句と芭蕉受容)の研究発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
計画時は翻訳書の出版を考えていたが、ゲーリー・スナイダー研究に関する論考の出版を計画することとなり、出版社も思潮社に決定した。3年目に国際シンポジウムでの発表を計画していたが、1年目で、「環境詩学、絵画詩学およびゲーリー・スナイダー研究に関する国際シンポジウム」において、招待講演者として、"Gary Snyder's Buddhism interpretation: Dogen and Bioreginalism"を発表し、研究成果を世界に公表することができた。ドミニカン大学のハレブスキ准教授と共著論文である"Haiku's Reception and Practice in Contemporary North American Poetry" を執筆し、掲載が決定した。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、第一に、研究成果出版となる「ゲーリー・スナイダー研究(仮題)」の完成を最終年度までに目指す予定である。2007年に提出した学位申請論文を土台とし、27年度に書き直した第5章に新たに7,8章を加えた。28年度はスナイダーの最新詩集『この瞬間』の論考を執筆し、これを新たに加えて第9章とする予定である。 2016年11月に韓国の東國大学で開催される東アジア環境文学国際シンポジウムにおいて、"Bioregional cosmopolitanism and Ecopoetics in the poetry of Gary Snyder’s Mountains and Rivers Without End"について研究発表する予定である。 ドミニカン大学のハレブスキ准教授と共著研究に取り組み、ASCJ(Asia Studies Coference in Japan"でパネルを組んで発表するとともに、共同執筆論文を投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
記録用のコンピュータを購入予定であったが、国際学会に参加したため、コンピュータを購入する経費が不足した。次年度に金額の調整を行いたい。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
記録用コンピュータを購入する。
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Research Products
(5 results)