2017 Fiscal Year Research-status Report
現代アメリカ演劇における批評理論の活用に関する研究
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15K02343
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岡本 太助 九州大学, 言語文化研究院, 准教授 (90523176)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アメリカ演劇 / 批評理論 / パフォーマンス研究 / ボーダー研究 / 演劇史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題の交付申請書の記載事項に基づき、アメリカ演劇および批評理論関係の文献の収集と精査を行った。平成29年度は特に、アメリカ演劇の内と外の境界についての研究を中心に据え、ラティーノ演劇、小説家による演劇などについての研究発表を通して、「アメリカ演劇とは何か」についての理論構築に向けた継続的な研究を実施した。また前年度までの研究成果を論文として発表した。 研究活動の主な内容としては、1)初期アメリカ演劇におけるホームとホームランド概念の生成に関する研究発表(科研費基盤研究(B)(一般)「ホームランドの政治学――アメリカ文学における帰属と越境の力学に関する研究」、課題番号16H03395と連動)、2)演劇研究方法論に関するシンポジウムの企画・実施および同シンポジウムでのギレルモ・ヴェルデッキアとギレルモ・ゴメス・ペーニャに関する研究発表、3)小説家ウィリアム・フォークナーの劇作に関するシンポジウムの企画・実施および同シンポジウムでの研究発表などがある。さらに論文・著書としては、1)サム・シェパードについての雑誌論文、2)スーザン=ロリ・パークスについての学内紀要論文(英語)、3)アメリカ文学史の演劇の項目を分担執筆、4)関連分野であるテレビに関する論文(共著書に所収)などがある。 その他、日本アメリカ演劇学会幹事および同学会機関誌『アメリカ演劇』編集委員として、研究プログラムの企画・実施に携わり、自身の研究に加えて、日本におけるアメリカ演劇研究の発展とレベルの向上に貢献した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度に編集上の事情により発表を見送っていた論文を無事に発表することができ、また過去の成果を英語論文として発表するなど、アウトプットが増加している。また、次に論文として発表する研究成果も、精力的に積み上げることができており、ほぼ研究計画通りかそれを若干上回るペースで推移している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、演劇における「幽霊」についての理論的考察(5月に九州アメリカ文学会にて発表予定)および劇作法に関する研究(8月に日本アメリカ演劇学会にて発表予定)を中心に進める。また、フォークナーについての論文1本、パークスについての論文1本、ホームランド言説に関する共著(演劇部門を担当)を発表予定である。また、研究に必要な調査を夏ごろに海外で行う予定である。 最終年度であるため、研究成果報告書等の作成も遺漏なく進めるものとし、本課題の成果を著書の形で発表するための準備にも取り掛かる。
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Causes of Carryover |
当初予定していた海外での研究調査がスケジュールの都合により実施できなかったことと、シンポジウムへの講師招聘に係る費用の負担がなかったことにより、請求額を全て消化しきれなかった。余剰分については、本来の請求分とあわせて、国内外の出張旅費および報告書等の作成費として使用する予定である。
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Research Products
(6 results)