2017 Fiscal Year Research-status Report
モダンの黎明──1920-30年代の移郷者たちと「危機の20年」の文化史
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15K02345
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| Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
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Principal Investigator |
吉田 朋正 首都大学東京, 人文科学研究科, 准教授 (40305404)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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| Keywords | モダニズム / 1920年代 / 1930年代 / 危機の20年 / ケネス・バーク / マルカム・カウリー / エドマンド・ウィルソン |
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| Outline of Annual Research Achievements |
第一次大戦後のアメリカの好況期（1920年代）と、ウォール街株価大暴落から始まる大恐慌時代（1930年代）。通常別々に捉えられ、論じられることの多いこれら二つのdecadesを、むしろ二つの大戦に挟まれた「ひとつのエポック」として捉え、英米を中心とする新たな国際秩序が形成されたこの「危機の20年」(E. H. Carr)に育まれた密かな文化史的水脈を探ることが本研究の目的である。
これまで本研究では、上記の時代に関連する希少な資料の収集やデータベース作成に務めてきたが、29年度以降はこれらを駆使したより踏み込んだ研究・調査に傾注し、新たな成果の達成に努めてきた。主要成果となるはずのモノグラフの一部は、これまで雑誌論文「ニューヨーク黎明──序説『ニュー・リパブリック』と三人の批評家」等の形で発表してきたが、今後もこの線に沿い、The New Republic誌をみずからの文学的キャリアの出発点とした三人の批評家、すなわちエドマンド・ウィルソン、ケネス・バーク、マルカム・カウリーを大きく取り上げ、それぞれを同時代の〈歴史〉〈理論〉〈編集〉という批評の三局面を代表する書き手として論じて行く。彼ら三人が描き出す、トライアンギュラーで相補的な関係を通じて上記の時代を活写することが目下の目標である。
なお本研究にとって文化史的に関連性の高い、故・土岐恒二氏（上記エドマンド・ウィルソンの翻訳でも知られる英文学者）の仕事について、28年度に雑紙総特集という形で責任編集・出版を行ったが、29年度以降は、これを更に発展させた複数著者による学術的シンポジウムを単行本として刊行する準備を進めており、こちらもまた本研究の副次的成果となることが期待される。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
27-28年度の2年任期の学内要職に続き、29年度も1年任期の学内要職にあったため、当初の予定ほど調査・研究を進めることかできていない。なお、現在は当初予定されていたモノグラフの形での単著刊行ではなく、まずは論文集の一部という形で、本研究の成果を発表することを検討中である。
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| Strategy for Future Research Activity |
「現在までの進捗状況」に示した理由により、全体的に進行が遅れているため、当初予定していた単行本の刊行については本研究のモノグラフという形ではなく、まずは論文集の一部という形で、成果の部分的に発表することを目指したい。なお、雑誌論文などについては、これまでどおり執筆・公開を続けて行くつもりである。
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| Causes of Carryover |
「現在までの進捗状況」に示した学内要職等の事情により、当初予定していた海外への研究出張を行うことができていないため、旅費の一部を本年度の物品費に割り当てた。次年度使用額は、今後の研究旅費に充当する予定である。
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